そろそろゾロの誕生日から1週間が経つ。最初はなんでなの、と思いながら付き合い始めた私だけど、いつの間にかゾロを好きだと思った。


『絶対好きにさせるから』


付き合い始めて少しした時に言われた言葉。それは本当になった。


「ゾロ…」

「んァ、呼んだか?」


ハッと我に返る。隣にゾロがいるにも関わらず、つい名前を呟いてしまった。


「名前?」


口を抑えながら下を向く私をゾロはそっと覗き込む。ちょうど今、私達の周りには他の人がいない。本当の気持ちを言うのは今しか無いかもしれない。そう決意した私は、ゾロを見上げた。


「あのね!」


あぁ、またきっと顔が真っ赤になってるんだろうな。


「私、ゾロが……」


ゾロは不思議そうに私を見つめる。


「ゾロが好き、かも」

「名前…」

「ううん。かもじゃなくて好き」


そう伝えると、ゾロは私を抱きしめた。


「ゾ、ゾロ!?」

「夢みてェ」

「夢じゃないよ…」

「最初はあんなに嫌がってたのに」

「ゾロが頑張ったから」


私達はお互いに強く抱きしめ合った。ゾロの温もりがとても心地好い。


「名前、好きだ」

「私もだよ、ゾロ」


私は背伸びをし、ゆっくりとゾロの顔に近づきキスをした。不意にキスをされたゾロは当然驚いている様で。


「今までの仕返し」


私は笑ってそう言った。それを聞いたゾロは少し微笑んで覚えてろよ、と言った。その笑いは私にしか見せない。そう信じてるよ。





▽20111112