「名前ちゅあ〜ん!ご飯だよ〜」

「はーい、今行く!」


サンジに呼ばれた私はみんながいる所に向かう。私の席はゾロの隣なんだが、流石にみんながいる所で恥ずかしいことはしないと思うと安心していた私だったけど…。


「食わせろ」

「………ちょっと意味が分かりません」

「だから“あーん”って」

「ちょっと待ったァ!!」


ゾロの言葉にいち早く反応したのはサンジ。


「なんで、てめェなんかのために名前ちゃんが“あーん”しなきゃいけねェんだ!」

「名前はおれの彼女だから」

「はァ!?なんの冗談かな、マリモくん?」

「うるせェ。本当のことだ、マユゲ」


本当なのかい、とサンジに聞かれた私は首を縦に振ることしか出来ず。そしてそれを知ったみんなは当然驚いている。


「名前、食わせろ」

「み、みんなが見てるのに!?」

「当たり前だ」


じっと見られる中、私はゾロに食べさせた。


「あーん…」

「うめェ。でも、」


食べさせたと思うと、ゾロは私の耳元に顔を寄せて口を開く。


「名前の方がもっと美味そう。顔が林檎みてェに真っ赤」


それを聞いた私は今以上に顔を真っ赤にしてるだろう。ほんとゾロにはやられっぱなし。どうにかしてほしいやら、してほしくないやら。いつの間にかゾロに対する新しい気持ちが芽生えている気がした。


▽20111111