「茶が美味いなァ…」

「そうだなァ…」


ズズズと紅茶を飲む音が響く船。


「……なんかねェのか、やること。おれ暇で倒れそうだ〜」

「おれも〜」


テーブルに伸びるルフィとチョッパー。そうねェ、確かに暇ね。とナミも口ずさむ。


「海王類でもぶっ飛ばして、美味いもんでも食いてェな」

「さっきメシ食っただろルフィ」

「まだ食べる気かよ…」


うーん。私も暇になってしまった。ロビンから借りた本も読み終わってしまった私はハァ、と溜め息をつく。


「この海域は穏やかだから、慌てなくてよさそうだし…」

「んじゃ、いっちょおれとスーパーな踊りでも」

「断る」


ボーッとナミとフランキーの会話を聞いているとトントンと肩を叩かれて振り返る。そこにはブルックがいた。


「どうしたの、ブルック?」

「名前さん。お暇でしたらパンツでも……」

「見せるかァ!!」


凄まじい蹴りをブルックに入れると、手厳しー、とか言ってた。うん、いつものことだ。


「おい、みんな!海王類が現れた!」

「マジか!?」


ルフィの一言で楽しそうに出て行ったみんな。残されたのは私と寝ている恋人のゾロだけ。起こしてみようかな。私はゾロに近付き声をかけてみた。


「ゾロ!」

「あ?」


直ぐさま返事が返ってきたので、起きてたのと聞くと、ゾロは「あァ」と答えた。


「名前、お前さ……あの……」

「なに?」


ゾロがはっきり言わないなんて珍しいね。なんて言うと、ゾロは私を見つめて口を開いた。


「ブルックなんかに見せんなよ」

「へ?」


それはパンツをってことでしょうか、ゾロさん。


「名前の彼氏はおれなんだ」

「うん」

「名前に触っていいのもおれだけだ」

「ゾロってば意外と独占欲が……」

「うるせェ」


それからゾロは私をギュッと抱きしめて、そのまま寝てしまった。


「え、このまま寝るの!?今のムードは!?」


そんなことを言っても、寝てしまったゾロは反応する訳でもなく。しょうがないな、と思いながらも、私もゾロをギュッと抱きしめた。



融け合う二つの影



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◎あいさんリクエスト
みんなとのほほんからの恋人のゾロといい感じに

▽20111009