スターダスト・ラブ


ここはグランドラインのとある島。今日はナミにたまにはあんた達二人っきりで遊びなさい、と言われて恋人のサンジと一日中一緒にいた。


「夜空綺麗だねー」

「そうだね、名前ちゃん」


もう既に辺りは暗くなり、空には星が輝いていた。


「そーいえば、今年は花火してないな〜」

「花火なら、近くの店で売ってたよ。買いに行くかい?」

「ほんとに!?行く!」


そう言うと、サンジは私の手を握りニコッと笑った。突然そんなことされるとドキドキしてしまう。それから花火を買って人のいない丘まで行き、花火の袋を開ける。


「名前ちゃん、どれからやる?」

「うーん、そうだなー…、これ!」


ストライプ柄の花火を指差すと、サンジは無言でその花火に火を点けて私に渡してくれた。なんて優しいんだろう。ありがとう、と言ったらサンジは名前ちゃんのためならおれは何だってするよ、と言った。愛されてるんだな、と思うと恥ずかしくなってしまい、赤くなる頬を花火を見ることで紛らわせた。そのあともいろんな花火をし、とうとう最後の花火になってしまった。


「やっぱ最後は線香花火だよね!」


袋から線香花火を取り出して、サンジに1本渡す。


「なァ、名前ちゃん。勝負しない?」

「勝負…?」

「うん。早く線香花火が終わっちゃった方が負けで、勝った人の願いを叶えてあげるってやつ」

「いいね!やる!」


楽しそう!勝負事なら負ける気がしない!


「じゃァ、どっちの線香花火がいい?」


サンジは私がサンジに渡した線香花火と、私が持っている線香花火を指差した。そして私はじっとそれを見つめる。なんだかサンジが持ってる方がいいような…。


「サンジが持ってるやつ!」

「どうぞ」


サンジのと交換してから改めて見ると、今度はまたサンジが持ってるやつの方が良さそうに思えてきた。


「あ、やっぱりそっち……あ、でも……」


凄く迷っているとサンジは少し笑って、名前ちゃんの好きな方にしな、と言った。結局、私は今持っているやつにして勝負を始めた。二人の線香花火が一斉に光る。


「あ、サンジの方が早く玉になった!」

「そういう名前ちゃんのもなったよ」


ここからは揺らしたら負けだ。私はじっと線香花火を見て、動かないように耐える。が、ポタと私の線香花火が終わってしまった。


「うそっ、終わっちゃった…」


サンジの線香花火を見ると、まだ終わっていない様だ。ということは私の負けってことですね。


「負けちゃった」


アハハと笑っていると、サンジが私の名前を呼ぶので、サンジの方に顔を向けると唇に暖かい感覚がした。


「頂きました」

「サンジっ!」

「だって負けた人は勝った人の願いを叶えるんだよ。名前ちゃんはおれの願いを叶えなきゃ」


徐々に顔が熱くなる。「可愛いよ、名前ちゃん」「サンジってば」それから私達はもう一度、触れるだけの優しいキスをした。


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◎アイルさんリクエスト
ある島でサンジと二人っきりで花火

▽20110828