私は年下の彼と同棲している。でも、彼は厄介なことに世話の焼けるやつでして。 「なァ、名前」 「なーに?ゾロ?」 「このスーツ、クリーニングに出しとけ」 「あ、はァ…」 出しとけって、命令ですか。自分じゃ何も出来ないのね。私だって仕事があるのに。最近、世話が焼けるというかパシリ扱いになってきた気がする。それを友達のナミに言ってみたら、別れろと言われた。でも私はやっぱりゾロが好きで、別れるなんて絶対出来ない。 「あ、今日の夕飯何がいい?」 「食えればなんでも」 「………もっとさー、こう具体的にないの?」 「ビールが飲みてェ」 「はいはいはいはい。ゾロに聞いた私がアホでした」 呆れて物も言えない私に、ゾロは「あ、」と口を開く。 「名前、明日休みだよな」 「え、あー、うん」 「明日は絶対友達と遊んだりすんな」 どうしてだろうと思いつつ、分かったと答えた。 「あと、ネクタイ」 「……ゾロってば不器用だもんね〜」 私はゾロから渡されたネクタイをゾロの首に回し締めた。 「もう、ほんと世話が焼けるんだから!」 「悪ィな」 それから私達はお互いに仕事場へ行き、夕方には仕事の終わった私は夕飯の買い物をして家に帰った。結局、今日の夕飯はオムライスにした。ゾロからのメールによると今日は7時には帰れるというので、6時半までテレビを見ながらゆっくりする。それからは夕飯の支度。案の定、7時を少し過ぎた頃に、ゾロの「ただいま」が聞こえた。 「おかえり。夕飯の用意はバッチリだよ」 「あァ、サンキュ」 ゾロはスーツを脱いで、椅子に座った。すると私の携帯が鳴り響く。 「もしもし?」 「あ、名前?あんた明日仕事休みでしょ!?遊ばない?」 「ごめん、明日はちょっと…」 「なによー!どうせゾロなんかとデートするわけじゃないんだし」 「いや、でもね、ナミ…」 そう言った途端、私の携帯がゾロによって奪われた。 「名前は明日はおれとデートだ!お前なんかと遊んでる暇はねェんだよ!」 プープープーと電話が切れた音がする。ゾロの話しを聞いた私は、口をぽかんと開けてゾロを見る。これこそ開いた口が塞がらないってやつだ。 「なんだよ名前」 「だって……」 ゾロは椅子に座り、オムライスを食べる。 「お前なんか疲れてるみてェだし。たまにはいいんじゃねェの?」 なんで分かったんだろう。仕事で疲れていたこと。まァ、ゾロのことでも少し疲れたけど。ガツガツとオムライス食べながら言うゾロに笑みが零れる。 「ありがと、ゾロ!」 世話の焼けるゾロだけど、何だかんだで私のことを見ててくれて、支えてくれて、そんなゾロが私はずっと好きなんだろう。 ----- ◎ヒナタさんへ こ、こんな感じでよろしいでしょうか…。私のクソな頭ではこんな話しか出来ませんでした。 少しでも喜んで下さると幸いです。15万打おめでとうございました! ▽20110822 |