AKUMAらしき人を追い掛けると、そいつはオレらに気が付いたのか突然走り出した。


「あ、逃げる!行くよラビ!!」
「イエッサァ」


マジでAKUMAだったのか、と思いながらオレはリサを追い掛けた。


「きゃあっ!!」


先に角を曲がったリサの声がして急いで向かう。


「リサ!?」
「ラ、ラビ……」


リサは涙を流しながら腕を押さえている。


「まさか撃たれたんか!!?」


咄嗟にリサに近付きそう聞くと、リサは首を横に振った。


「ナイフが掠っただけ…」
「よかったさ〜…」


安堵の息をつき、オレはAKUMAを睨みつけた。


「手加減しねェさ」
「エクソシストめ!」


人間の姿からAKUMAの姿になり、戦闘が始まる。結果は当たり前にオレが勝ち、直ぐさまリサの所へ駆け寄った。


「大丈夫さ?」


座り込むリサにそっと手を差し延べると、リサはゆっくりと立ち上がり口を開いた。


「べ、別に突然ナイフで切られたからビックリしただけで……っ」


今さっき泣き止みました、とでも言うような顔で訴えるリサ。あんなに正義感が強くて、自信家なのに意外と弱虫なんさね。


「リサ」
「な、何よ」
「リサが無事でよかったさ」
「ラビ……」


それから任務を終えたオレ達は教団へ戻った。


▽20111230