コムイさんに呼ばれた私は、コムイさんの元へ行く。ドアを軽く叩き、失礼します、と一言。


「やぁ、リサちゃん」
「こんにちは」


コムイさんの隣には赤毛の男の人が居る。今日の任務はこの人とか、と思っていると案の定、今日の任務はラビとね、とコムイに言われた。ふーん、ラビって名前なんだ。なんかウサギみたい。


「よろしく」
「よろしくさ、リサ」
「え、あ……」


名前教えてないのに、と考えているとラビが口を開いた。


「さっきコムイが名前言ってた」


あ、そーだ。そーいえば言ってた。


「そうだよね!ごめん、ちょっとビックリして……」


ラビはクスッと笑って私を見る。そして、改めてよろしく、と言い手を差し出して来た。私はその手にそっと自分の手を伸ばし握手した。


「んじゃ、任務に行きますか」
「そうだね。今回はどこに行くの?」


コムイさんに問い掛けると、コムイさんはイタリアと言った。イタリアか、実はイタリアって行ったことないんだよね。


「二人とも、ちゃんと帰って来てね。いってらっしゃい」


そうコムイさんは静かに笑って私達を見送った。それから私とラビは列車に乗り込み、イタリアへと向かった。着くまでにちゃんと資料に目を通す。今回の任務はナンパされた女性が次々に消えていくという内容だった。


「これって、普通に考えてナンパしてる人がAKUMAじゃない」
「だよなー」


たいしたことない任務だ、と思っていると、ラビがじっと私を見ていることに気が付いた。


「え、な、何……」
「あ、いや。リサがナンパされて倒せば終わるなって思って」
「……団服着てるからバレるんじゃない?」
「そっか」


うわっ、なんだろう、この空気。気まずい。ちゃんとラビと任務出来るのかな。


「お、そろそろイタリア着くさー」
「ほんとだ!」


私達は列車を降りて、早速ナンパをしている人を探すことにした。


▽20110618