ゾロ、と愛しい人の名前を呼ぶと、ゾロは少し微笑んで私を見た。


「何だよ名前、どうかしたか?」

「呼んでみただけ」


そう言うと、ゾロは無言で視線を元に戻してしまった。せっかく構って欲しくて呼んだのに。といっても、私の方が年上なんだけどね。でも、なんか私ばかり好きみたいじゃない。


「ねぇ、そんなに刀見てて楽しいの?」

「んー」

「ねぇってば」

「んー」


曖昧な返事しかしないゾロに、後ろから軽く首を絞めてみた。


「な、なにすんだよ!」

「なんとなくー」


笑いながら言うと、ゾロは簡単に私の腕を首から離して、じっと見つめてきた。


「ゾロ…、キスしよ」


ぽろり、思わず口から出てしまった。絶対拒否されるの分かってるのに。あんなに見つめられたら思わずこんな言葉も出ちゃうよね。


「何言ってんだお前っ!」


私の言葉を聞いたゾロは耳まで真っ赤にして焦り出した。そういえば、前もキスしたとき真っ赤になってたなー、なんて思い出す。


「見かけによらずシャイだねー」

「うるせェ!そんなことねェ!!」


そんなゾロを見ていると段々虐めたくなってしまう。私ってば、やっぱりドS?


「じゃあ、前は私からキスしたから今日はゾロからしてね」

「…………」


無言かよ、と思った瞬間、ゾロの顔が近付いてきて唇に熱を感じた。


「あーっ!目閉じれなかったじゃない!」

「いいだろーが!ちゃんとおれからしたんだから!!」


うん、まぁ、たまにはされるのもいいかもしれない。でも、次はちゃんと目くらいは閉じたい。



愛 さ れ て し ま え
(またよろしくね!)
(は!?な、なにがだよ)


-----


◎なりさんリクエスト
年上ドSヒロインとシャイなゾロの甘い話

▽20110528