「ゾロー?」

「……」

「寝てんの?」


仰向けになって寝ているゾロに話し掛ける。が、返事がないので寝ている様だ。私は恐る恐るゾロの頬に手を伸ばし、軽く抓ってみた。


「痛ェーっ!」


抓ってみると、さすがのゾロでも起きた様だ。


「あれ?そんなに痛かった?」

「………」

「ゾロ?」


また返事が返って来ない。まさかと思い、ゾロの顔を覗き込む。案の定、ゾロは目を閉じて寝ていた。

ゾロってば、寝るしかやること無いのかな?

また寝てしまったゾロを横に、私は暇になり座る。


「天気いいなー」


一人でそう呟いていると、突然サンジが私を呼んだ。


「名前ちゃーん。苺のタルト出来たよー」

「やったー!」


サンジは私の所まで来て、そっとタルトを渡してくれた。


「ありがとう!」

「いやいや、名前ちゃんが喜んでくれるなら、おれはいつでも作るよ」


サンジはそう言うと、ハートをばらまきながらナミとロビンの所へ行った。それを私は遠目で眺めながら、タルトを口へ運んだ。


「うまっ」


あーあ、ゾロも寝てて暇だからナミ達の所へ行こうかな。

そう思って立ち上がろうとすると、突然腕を掴まれた。


「えっ?」


ゾロだった。ゾロが私の腕を掴んでいた。


「どうしたの?」

「………行くなよ。起きてっから」


ジッとゾロに見つめられ、目が離せない私。


「はい………」


私はそう小さく呟くと、そのままゾロの隣に座るのだった。


傍にいて


▽20110311