「あれ…」 「どうかした、ラビ?」 「あそこにいんの、名前とアレンだよな」 「そーね、あの二人最近仲良いみたいだから」 ふーん、いつの間にアレンと仲良くなったんだ。ついこの前はオレに付き纏ってたくせに。ま、おかげでオレは好きなリナリーといれるしいっか。 「ねぇラビ、二人の所行きましょうよ」 「え、うん…」 咄嗟に「うん」と答えてしまった。せっかく二人だけで話してたのに。 「行きましょ」 リナリーはオレの手首を掴んで歩き出した。うお〜、こんなところコムイに見られたら殴られるさ。っていうか、オレの気持ちがバレたら死刑だな。いろいろとドキドキしながら、ふと名前とアレンを見ると、何故か名前が泣いている。 「は?」 足を止めたオレに、リナリーはどうしたのと問い掛ける。 「なんで泣いてんさ…」 名前の泣き顔を見ていると、だんだん胸が締め付けられるような気がしてきた。 「……名前」 手で胸を押さえ付けても治る訳でもなく。そのまま二人を見続けていると、アレンは名前を抱きしめた。それと同時にオレの身体と心が動く。身体は二人の元へと走り出し、心は名前へと動き出した。 「ラビっ!?」 リナリーがオレを呼んだが、オレは振り向かなかった。 本当は気付いてたんだ。だけどオレはリナリーが好きなんだと思い込ませていた。 だって、名前はアレンが好きなんだろ…? ▽20120607 |