「またですか…」 「ごめん、アレン…」 私はぼーっとしながら、遠くにいるラビを見つめる。もちろんラビの隣には可愛い可愛いリナリーの姿が。 「はぁ、」 どーせ私みたいなやつがリナリーに勝てるわけないよ。 「名前、ラビのこと諦めたらどうですか?」 「そのセリフたくさん聞いた」 「だって…」 「でもね、アレン。私、諦められないの」 「……」 「分かってるよ、ラビはリナリーが好きなことくらい。ずっと見てきたんだもん」 「……名前」 そう、私の好きな人ことラビは、同じエクソシストのリナリーが好きなのだ。あーあ、どうして神様は私をリナリーみたいに可愛くしてくれなかったのだろう。遠くに見えるラビに手を伸ばすが、当たり前に届くはずもなく。何も掴めない手はゆっくりと下ろされる。 「でも……っ、そろそろ限界かも」 なぜだろう、目の前がぼやけて見える。そうか、きっと泣いてるんだ自分は。 「僕もその気持ちはわかります」 「アレン…」 涙を拭っているとアレンは私の目の前に来て、そっと私を抱きしめた。 「僕も…、名前のことがずっと好きでしたから」 ▽20120404 |