「せーんぱーい!」 窓から身を乗り出して、登校してくるサンジ先輩に声を掛ける。 「今日もカッコイイです!」 「名前ちゃんも可愛いよ」 きゃー、可愛いだって!照れちゃうわ、私。なんて思っていると友達に声を掛けられる。「またやってんの?」「うん!」だってだって、サンジ先輩のこと好きすぎるんだもん。 「ていうか、また今日も違う先輩と一緒にいんじゃん…」 「あーんな先輩じゃなくて、私を見てもらえるように魔法をかけるのだ!」 「あんた、頭大丈夫……?」 サンジ先輩が毎日違う女の先輩と登校してるのは知っている。だけど、そんな人に負けるような私じゃない! 「サンジせんぱーい」 「名前ちゃん」 「今日一緒に帰りましょう!」 「悪いけど、先約があるんだ」 「じゃあ明日!」 「ごめん」 「明後日!」 「ごめん」 「明々後日!」 「ごめん」 「じゃあ、いつなら帰れるんですか〜?」 そう聞いてみるとサンジ先輩は、名前ちゃんとは帰れないな、と言い出した。 「どうしてですか…?」 「名前ちゃんは、まだお子様だから」 「どーゆーことですか!?」 それからも、毎日サンジ先輩の後を追いかけた。が、突然、女の先輩達(よくサンジ先輩の近くにいる人)に呼び出された。 「あんた、サンジの何なの?」 「何なのって……、将来のお嫁さん?」 「はぁ!?ふざけてんじゃねーよ!!」 先輩達は私へ近付き、私を壁へ追い込む。これが袋のネズミってやつですか? 「だいたい毎日、金魚のフンみたいに付け回して」 「金魚のフン……?」 「そーよ」 「サンジ先輩は金魚なんかじゃない!」 「は?」 は?、はこっちの台詞よ!あんなカッコイイ先輩を金魚って言うなんてっ! 「やっぱこの子、頭イカれてるよ」 「だね」 「いっちょシメとく?」 そう一人の先輩が口を開いた途端、手を振り上げて、私に目掛けて振り落としてきた。 「きゃっ」 ギュッと目を閉じたその時、私の大好きなサンジ先輩の声が聞こえた。 「レディがそんなことしちゃダメだよ」 サンジ先輩は先輩の腕を掴みながら、私を守るように間に立った。 「サンジ先輩…」 ぽつり、呟くとサンジ先輩は私に微笑んで、また口を開いた。 「名前ちゃんを虐めていいのは、おれだけだ」 すると先輩達は顔を真っ赤にしてその場を立ち去った。それと同時に、私は地面に座り込む。 「名前ちゃん?」 「やっぱり先輩は私の王子様です!」 「先輩!今日こそは一緒に帰りましょう!」 「んー、どうしようかな〜」 ----- え、誰!?って感じですけどサンジです。いつもと少し違う感じにしたかったんですけど、これは、ねぇ…。ヒロインちゃんも不思議ちゃんにしたくてしていまい…。ほんと、すみませんでした← ▽20120216 |