先程着いた島で私はゾロと散歩をしている。 「んー、新しい服とか欲しいな。一緒に見に行こうよ!」 「んなこったァ、一人でやってろ」 「え〜…、そんなこと言わずにゾロも一緒に行こうってば!」 隣を歩くゾロと会話を続ける。 「おれは刀を見たい」 「……わかったよ、一人で行きます〜。じゃ、後でね」 ゾロに手を振ると、ゾロは左に歩き始めた。あれ?さっき右から来て、その通りに刀屋があったような気がするんだけど。 「ちょっ、ゾロ!逆逆!!」 逆に進もうとするゾロを大声で呼び止める。するとゾロは「そうだったか?」と言って右へ進み始めた。これでやっと私も服を買いに行ける。確か服屋は右斜め下の道を行った所だったはず、と思った私は右斜め下の道を進もうとすると、ゾロが私を呼んだ。 「名前!服屋そっちじゃねェぞ!」 「え!?」 ゾロに道を教えられるなんて、なんたる不覚っ! 「しょうがねェな…。名前を一人にすっと迷子になりそうだから、おれも一緒に行ってやるよ」 「………ゾロもだけどね」 「うるせェ」 ゾロは私の手を握り「行くぞ」と一言呟いて服屋へと向かった。ゾロに握られた手は徐々に熱を帯びて、私を熱くする。 ああ、不覚にもゾロに溺れてしまったようです。 (って、道違うじゃん!) (ん?刀屋に着いちまったな) ▽20110815 |