2年間一緒のクラスのラビ。席が前後になるのはこれで3回目。そして、私はそのラビに困っている。
「なぁ、漢字のプリント見せてくれねぇ?」
「どーぞ」
ていうか、漢字なんて教科書に書いてあるじゃん。それなのにプリント貸してってどーよ。やる気が感じられないんですけど。仕方なくプリントを渡すと、ラビはサンキュと言って前を向く。普通にしてればカッコイイのに、なんでバカというかウザイというか、そうなんだろう。
「写し終わった。次さー、英語のノート貸してさ」
「…どーぞ」
深い溜め息をつき、ノートを渡す。渡しちゃう私も悪いんだけど。「いつもありがとうさー」「いいえー」なら自分でやれよ。
それから数日後、席替えをするという事になり、くじを引く。ラビと離れられればいい。ただそれだけだった。
「26番か」
チラッと周りに誰がいるのか確認すると、見たくない文字が。
「あれ?名前26番さ?」
はい、出たラビ。
「う、うん」
「また前後さー、よろしくな」
嗚呼、神様。離れればいいと願いながらくじを引いたから罰を与えたんでしょうか。なんてこった。
「オレら、2回連続前後とか運命共同体さね」
「キモッ」
笑顔で言うラビについ本音が出てしまった私。「キモッって、名前〜!」「あはは」確かにこれも運命かもしれない。でも、せめて共同体はやめてほしい。
運命を信じてる
▽20110725