暑かったり寒かったりする季節の変わり目。風邪を引きやすい私は、案の定風邪を引きました。


「ゴホッ、ゴホッ」

「あんた大丈夫なの?母さん仕事行くけど?」


心配そうに寝ている私を見守るお母さん。


「大丈夫だよ」

「そぉ?何かあったら連絡するのよ?」

「うん。行ってらっしゃい」


お母さんが仕事に行き、家に一人で取り残される私。何だか熱も上がってきたようなので一眠りしようと思った途端、携帯が鳴り響く。メールの送信元は友達以上恋人未満の仲の山本武。まぁ、実際、私は武が好きなのだが。意識がボーッとする中、メールを読む私。メールの内容は風邪を心配してくれたものだったのだが。


「ちょっと待って……っ」


一旦、携帯を閉じて頭の中を整理する。


「………………武が、家に来る?」


本文の最後の方には、学校抜け出して見舞いに行くと書いてあったのだ。私の家と学校は10分程の距離にある。と、いうことはすぐ来るではないか。

ど、どうしよう。こんなとこ見られたくない。

そう思った途端、チャイムが鳴った。こうなれば寝たフリをして気付かなかったことにしよう、と思いチャイムを無視していると、ガチャと玄関が開く音と共に武の「あれ?鍵開いてる……」と言う声がした。

お母さーんっ!なんてことをしてるんだ!!

お母さんに怒りを覚えつつも、仕方がなくベッドから起き上がる私。それと同時に武が部屋へと入って来る。


「寝てなくて大丈夫なのな!?」

「う、うん……」

「どれ」


武はそう言うと自分の額を私の額と合わせた。

うわっ、顔近いっ!


「うーん。大丈夫そうなのな!」

「いや、熱上がったわ」

「なら寝てなきゃだな」

「しれっと言うな……。バカ武」


平熱38度5分
(ってか、手じゃなくておでこで熱測るとか、どいいうこと!?)
(そっちのほうが親父が良いって言ってたからさ!)


▽20110319



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