「なぁ?」 隣を歩く幼なじみの名前に話し掛ける。今日は告白しようと思って、一緒に帰ろうと名前を誘ったのだ。 「なーに、武?」 「あのさ、オレ……」 好きという2文字を言うだけなのに、やっぱり緊張してしまう。情けねぇな、オレ。 「ほらほらー、何よ?もしかして恋の相談!?」 肘でオレを突きながら茶化す名前。そういう勘は鋭いのに告白されんのが自分かもとは思わないのか、と疑問を抱きながらオレは名前の肩を掴み、向き合うように体勢を変えた。 「え?何……?」 「オレ、お前のことが好きなんだけど」 言った、やっと伝えられた。 「あたしも武のこと好きだよ?」 「え…」 予想外の言葉に驚くオレ。念のため、もう一度名前に「本当か?」と聞いてみた。 「う、うん。だって武は幼なじみだよ?大好きに決まってんじゃん!」 一瞬の曇りもない笑顔で答えた名前。やっぱり通じて無かったか。 「あのな、オレの好きは幼なじみだから好きじゃなくて、女として好きって意味なのな!」 「え!?」 それを言うと、やっと意味が分かったのか名前は驚きを隠せずにいた。 もっと頑張んねーと駄目か。 そう思いながら、もう一度名前に自分の思いをぶつけた。 「オレ、諦める気はねーのな!」 好きだの意味が違います ▽20110312 |