キャプテンに呼ばれた私は、船長室へ向かう。正直なところ夜に呼ばれるとか面倒だ。ゆっくり寝たいのに。


「来たか、名前」

「しょうがないから来ました」


大きな欠伸を一つして、キャプテンを見る。


「で、何ですか?」

「暇だから呼んだ」

「は!?」


キャプテンの言葉を聞いた私は直ぐさま回れ右をして船長室を出ようとするとキャプテンに腕を掴まれた。


「離して下さい。私寝たいんですけど」

「ここで寝ればいいじゃねェかよ」

「えー、キャプテンが居る所で寝たら犯されそう……」


ジッとキャプテンを見ると、キャプテンは小さく溜め息をついた。


「そんなことしねェよ」

「嘘だね」

「んじゃ、トランプするだけならどうだ?」

「とりあえず手を離して下さい、キャプテン」


絶対ヤらせろとか言うと思ってたのに、まさかのトランプ。


「離したら出ていくつもりだろ?」

「…………しますよ、トランプ」


私は小さくそう呟いた。それを聞いたキャプテンは驚いた様子で私を見ていた。


「ど、どうしたんですか!?」

「いや……、お前がおれの誘いを断らなかったから」

「断ってましたっけ?」

「断ってたじゃねェか」

「………覚えてない」


そう言うと、キャプテンは「まァいい。とりあえずトランプするぞ」と私の手を引いて机に向かった。椅子に座った私は、目の前に座っているキャプテンに話し掛ける。


「何するんですか?」

「………」

「キャプテン?」

「………」

「キャプテーン!」


呼んでも返事をしないキャプテン。どうしたのかと思い、キャプテンの目の前で手を振ってみた。すると、やっと気付いたのか、キャプテンは「悪い」と呟いた。


「どうかしたんですか?」

「…………名前と一緒に居られることが嬉しくて」


キャプテンからの思いもよらぬ言葉に驚く。と言うか、もしその言葉が本当ならもしかして。


「私のこと好きなんですか!?」

「やっと気付いたのか」

「す、すみません……」




感少女


▽20110625