おれは最近よく名前ちゃんを見てしまっている。気が付けば名前ちゃんを目で追っている。なんでだ?


「ゾロー」

「あ?何だ?」

「遊ぼー?」

「ルフィみたいなこと言ってんな……」


ニコニコと笑いながらゾロに話し掛ける名前ちゃんを遠くから見つめるおれ。何だか胸がモヤモヤする。


「だって暇なんだもん……」

「ルフィとでも遊んでろ」

「えー」


女の子はみんな好きだ。ナミさんだってロビンちゃんだって。でもその二人と名前ちゃんは少し違う。ナミさんよりも、ロビンちゃんよりも可愛く感じるんだ。


「あ、サンジー!」


おれに気付いた名前ちゃんは、おれに向かって手を振っている。


「どうしたんだい?名前ちゃん」

「今暇でしょ?」


ニコッと笑う名前ちゃん。その笑顔を向けられたおれは、今まで以上に胸がドキドキする。

もう、あんなクソマリモなんかに笑顔を向けないでほしい。おれだけに向けてほしい。


「サンジ?」

「名前ちゃん…」


何なんだろう、この気持ち。あァ、そうか。これが恋ってもんか。

おれはそっと名前ちゃんを抱きしめた。


これが恋と言うのです
(やっと気付いたみたいね、サンジ君)
(そうね、良かったわ)


▽20110401