※擬似二穴挿入注意



 しばらく禁欲生活を強いられるかとおもいきや、週末はふたりで宝のめんどうを見たあと、母に送り出されるようにして政貴のマンションにお泊まりというのがお決まりのパターンと化していて、そうなればもうやることはひとつしかなくて。自分でも呆れるほど、週末、ふたりは性交に没頭した。
――そして、今日は待ちに待った約束の日。通い慣れた道のりをたどり、扉をあけた瞬間、たえきれずにこくりと唾を飲み込んだ。
「なんか飲むか?」
 迎えてくれた政貴はまずは一休みするか、という意味で訊ねてくれたのだろうが、それにふるりと首を横に振り、服の裾をつまんで「はやくベッドいこ……」と誘う。
 どきどき心臓がうるさい。まるで恋する乙女のようだと頭の片隅でおもうが、これがそんな感情ではないことは、自分が一番よくわかっている。
 寝室に向かうと、薄暗くてひんやりとした室内がふたりを出迎えた。どうせすぐに熱くなるから空調なんて気にする必要、ないのだけれど。
 ぴ、とリモコンであかりをともすと、ぽいとこちらにとあるものが投げられる。それをうまくキャッチした透は、ぼっと頬を赤くした。
「…………っ」
「どうだ?」
「…………く、黒とか、趣味わるい……」
 完全に成長しきった政貴と同じか、すこし小さいくらいだろうか。それは、カリ高で太く、長さもある凶悪なペニスのかたちをした真っ黒なディルドだった。
 ふたつの陰茎に容赦なく責められる妄想するだけで、呼吸が乱れる。
「期待してるくせに」
 意地わるく笑われるも、否定なんてできるはずがない。だって、それは変えようのない事実なのだ。
 なにもされていないのに、はしたなく恥部が濡れる。これでは、下着がびちょびちょになるのも時間の問題だ。
 くちびるを軽く噛んで羞恥とボトムをともに捨て去り、ベッドの上に乗ってはしたなく脚をひらく。
「……せんせ、はやく」
「やっぱり期待してんじゃねーか」
 おとこが縦に割れた性器に指を這わせて下の口をひらかせると、隠されていた穴があらわになり、とろりと蜜が溢れ出した。
「ほら、舐めろ」
「ん……っ」
 フェラチオをするように先から根元まで、唾液をたっぷりと絡めてディルドに舌を這わせる。熱もなければ大きさが変わったり筋が浮き出たりすることもないけれど、ほんとうに政貴がふたりに分裂することなど不可能なのだから、そこは我慢するしかない。
「相変わらず、美味そうにしゃぶるな」
「ん、ん、らって……」
「マンコどろどろ。そんなにチンポ挿れられてぇの」
 瞳を潤ませこくこくうなずくと、政貴はくっと口角をあげていじわるな笑みを浮かべ、透の口からディルドを奪って下の穴にあてがった。
 すでに愛液でぐしょぐしょになっていた膣に粘液をさらに塗りひろげるように先端を動かされ、もどかしさに脚がびくびくと跳ねた。はやくほしくて腰を浮かせてしまう。羞恥なんて感じている場合ではないのだ。とにかく、中をいじめられたくてたまらなかった。
「せんせ、も、じらすな、って……!」
「はは、マンコ、ものほしげにくぱくぱしてんな。恥ずかしげもなく腰突き出して、ほんとどうしようもねえ淫乱だよ、おまえは」
「んん……っ」
 言葉で辱しめられ、きゅんっとお腹の奥が悲鳴をあげた。透にこらえ性がないことは、政貴がだれより一番よく知っている。
「そうだよっ、おれは、どうしようもねえ淫乱だから、はやくマンコにチンポほしくて、おかしくなりそうなんだよ……っ! お願いだから、挿れて、ください、」
「しかたねえなあ」
 おねだりが成功したのか、おとこが角度を変えて膣穴にぐっと亀頭を押しつけてきた。
 もうすぐくる、入る。
 期待にどきどき逸る心臓の音を聞きながら、くちびるを軽く噛みこくりと唾を飲み込んだ瞬間。
「――っあ……! ひ、くる、あぁ、あー……ッ」
 すぶぶぶ、とディルドが狭い道をこじあけるようにして肉洞を進んできた。
「あ、おっき、すごい……っ、んぁ、あぅッ」
 初めから容赦なくディルドを出し入れされ、Gスポットをごりごりと抉られた。泣きたくなるほどの快感に身悶えるも、さらなる悦がこの先に待っていることを、透は知ってしまっている。
「っひ、う、あぁ、っ……、きもちい……ッ、あ、あン、」
「ケツの穴ひろげるぞ」
「ぁ、ゃ、んん……、あッあッ、だめ、りょうほ……っ、」
 女性器のほうを犯されながらアナルを慣らされるのはふしぎな感覚だったが、まだ前立腺にはふれられていない。ふたつの性感帯を同時に嬲られたらどうなってしまうのか、今さら恐ろしくなった。
「ま、まって、せんせ、ぁ、こわい、やっぱ、片方だけで、い……っ!?」
「遠慮すんな」
 遠慮じゃねえよ! と叫びたいのに喉から勝手に溢れるのは媚びたような嬌声。
「あっあっ、や、っひ、うぅ、あーッ、ぁ、だめ、そこ、だめぇ……!」
 指が、ディルドが。透の性感帯を嬲る、嬲る。ひいひい啼いてしまう快感が次々湧いてきて、気づけば頬が涙で濡れていた。
「ぁふ、ぁ、あン、あー……っ、どっちも、きもちい、あぁあ、せんせぇ……」
「おら、ポルチオも楽しめ」
「んひぃいッ! あっあっ、や、いやぁっ! ぽるちおっ、だめ、ぁ、あぁ、いく、いっちゃう、まんこでいくぅ……!」
 角度を変えて奥にごりゅりゅとこすりつけるよう淫具を動かされ、がくんと頭が跳ねた。
 きもちいい。おかしくなる。
 とろけた脳内にそう警告されるも、この先の狂おしいほどの快楽から逃げられないことは、いやというほどわかっている。
「クリトリスびんびんじゃねえか。これも、マンコと一緒にイかせてやるよ」
「あっ、や……!」
 とめる前に、ぱくりと咥えられてしまった。まるで本物のクリトリスのように敏感になってしまったそれをしゃぶられるのは、正直な話きもちよすぎてすこし苦手だ。なにもかもが真っ白になって、わけがわからなくなる。
「あー、あーッ! だめ、も、むり、あぁあ、いく、クリとマンコ、きもちい、いく、いくぅッ、あぁあぁあ……!」
 ディルドを激しく前後に抜き挿しされながらぺニスを根元からきつく吸われた瞬間、先端から体液が放たれたのがわかった。それをためらいなく飲み干す政貴を「やめろよぉ……」と情けない声で咎めたくせに、心は歓喜しているのだからどうしようもない。
 一滴も残さないようにと鈴口をちゅうちゅう啜ったあと、ようやくおとこの顔が下半身から離された。
「……っ、……ふ、」
 こんなに喘いで、たくさんの愉悦を与えられておいて、透の体は政貴の肉棒を欲してやまなかった。でも、しかたないのだ。あの、使い込まれた色をした、大きくて、血管が浮き出た、硬くて熱い雄の象徴に突かれるよろこびを体感してしまったら、だれだって戻れなくなるに決まっている。



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