政貴と同じようなサイズのディルドを特注でつくらせて、二本の肉棒を挿れてもらったらどうだろう。前と後ろに一本ずつでも、どちらかに両方でもいい。そんなことをされたら、気が狂うほどの快楽を貪ることができるに決まっている。
 膣は、近いうちになくなってしまうのだ。その前にこの期間限定のおんなの部分を楽しまなければ損をすると、透はとろけた頭でぼんやり考える。
「あんッ……、して、ほし、おれの、ふたつのめすまんこ……っ、せんせえのちんぽで、どっちもめちゃくちゃにぃ……ッ」
 同じことをおもっていたのか、政貴が「今度よさげなオモチャ見繕っとくわ」と笑う。
「あッあッ、ど、しよ、うれし、おまんこ、よろこんじゃう……ッ、おっぱいみるくも、しおも、いっぱいふいちゃう……! っひ、ぃく、あ、ぁッ、あぁあーッ! ひっ、あっ、いくっ、ひぃあぁああッ!」
 尻に埋まった剛直を食いちぎらんとばかりにしめつけ、おんなの秘部で太い指をしゃぶり、胸からは母乳を、亀頭からは潮を噴きあげ、透はがくがく痙攣しながら極まった。
「は、すげ……、えっろ」
 おとこをを道づれにすることができたようで、淫穴に熱い粘液がじわりとひろがるのがわかった。
 むっちり吸いつく肉ビラをかきわけて、まだ敏感な内壁を擦りながら政貴が屹立をひき抜く。その刺激にさえ泣きたくなるほどの悦を感じて、透はか細く喘いだ。
「は、ッあ、ひぅう……っ、」
 ぴゅるっと鈴口から残っていた飛沫が飛び散り、いたたまれなくなるも一度で終わるはずがないとわかっている。
「あー、くそ。母乳、やばい。めちゃめちゃそそられる」
「……やっぱおんなになってほしいってこと?」
「ちげえ。プレイの一環として。この、ちっせえ乳首のわれめから液が滲んでんのがたまんねえんだよ」
 今もなお、じわじわ溢れるそれに舌を這わせる彼の顔は、いつもよりさらに雄っぽかった。
 最初で最後だから、とねだられるがままその後はひたすらに乳を吸われて何度も絶頂させられた。
 しかし、次のときには二本のペニスに犯されるのだとおもうと、干からびるほどに性交をした体が潤ってくるような感覚さえするのだから末期だ。
「どうしよ、おれ、次のセックスすっげえ楽しみなんだけど……」
 事後にシーツをとりかえたベッドでうつぶせになり、顔面を覆ってそう呟いた透に政貴は言う。
「ま、どっちのマンコが緩くなってもおれのチンコが枯れるまで使ってやっから気にすんな」
 フォローなのかなんなのかわからないその台詞に「……そりゃどうも」と返して、顔をあげふと最近訊ねたかったことを口にした。
「……先生、煙草やめたの?」
「あー……、まあ」
 癖のように手が箱とジッポを探すが、近くにそれらはおかれていない。もともと換気扇のそばで吸うとかベランダで吸うとか、気を遣ってくれてはいたのだが。
 最近は、キスがすこしあまくなった。学校でも喫煙しているところを見ないし、初め、そのことに気づいた透は驚いたものだった。――彼が、ヘビースモーカーだと知っていたから。
 やめる気など毛頭なさそうだったのに、なにが政貴を動かしたのか。気にならないわけがない。
「なんで?」
「……理由なんかどうでもいいだろ」
「だって、けっこう吸ってたじゃん。今もつらいんじゃねえの?」
 話すつもりはないのか、黙れとでもいうように唇を奪われる。けれどその口づけはまさにバードキスと呼ぶにふさわしいやさしいもので、ものたりなくなった透は自ら舌をさし出しより深い交わりをねだった。誘いに乗るようにおとこの舌が口内に滑り込んできたが、性感を刺激しない程度にじゃれ合うだけで終わった。
「……いいんだよ。口が寂しくなったら、おまえにこうしてキスするから」
「……いつでも、呼び出していいぜ」
「そりゃ助かる」
 もしかしたら宝のためなのかなとおもったりしたのだが、聞くのはやめた。どんな理由であれ、害しかない煙草をやめてくれるのは自分にとってうれしいことだからだ。
 まだ、自惚れるのは難しい。でも、いつか「自分は政貴に愛されている」という自信を持つことができたなら。もう一度、訊ねてみてもいいかもしれない。もしも今日と同じような答えが返ってきたら、そのときは笑みを浮かべながら言ってやるのだ。
「おれと宝のためだったんだろ」
 ――と。




End.



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