※母乳注意




 実際は周りに頼りきりだというのに、母が「たまには息抜きしてきなさい」と言うので透はその言葉にあまえ、週末に政貴が借りているマンションにやってきていた。
 性行為にご無沙汰だったふたりがすることといえば一つしかなく、朝から淫らな音が部屋を満たしていた。
「ぁ、あン……っ、」
「なんか、我慢しろって言われたらできないことはねーけどよ」
「ふ、は……、あ……?」
「してもいいって状況だと遠慮する意味ねえよな」
 久々のセックスにこちらだって期待しているのだ。しないなんて選択肢は、初めから透の中にはなかった。
 ただ、膣はまだ残っているものの、政貴は子はこれ以上望んでいないと言うし、万が一のことを考えて今日は後ろを使うとふたりで決めていた。
「しないとか、むり……。はやく、ほし……」
 最後にアナルを使ったのは一年以上前だし、簡単にほぐれることはないとわかってはいたがもどかしい。
 ローションを次々たしながら、おとこの指が蕾をひらいていく感覚に、懐かしさすら覚えた。
「は、処女みてえ」
 笑いを含んだ声の中に、隠しきれない興奮の色が混ざっており胸が熱くなる。
 はやく、あの太くて狂暴な熱棒で息もできなくなるほどに穿たれたい。ぐちゃぐちゃに、犯されたい。
「ぁ、あ、も、して、あそこ、ぐりぐりってぇ……!」
「いいけど、イくなよ?」
「あッあッ、あー! ぁ、そこ、そこぉ! っひ、いい、ぁうう、んーッ」
 小さなしこりを弄くられ、頭が真っ白になる。どうしようもなくきもちいい。もっともっと、ほしくなってしまう。
 雌猫のように尻を高くあげ、胸をシーツに押しつけ悶えてすこし経ったあと、湿り気に気がついた。
 なんだこれ、とぼんやり考えたのち、閃いた答えに羞恥した。
 政貴にはばれたくない、と真っ赤になって顔を埋めるも、そこを彼がまったく弄らないなんてことはないだろう。
「おい、力むな」
「ふ、は、ごめ……、」
 入口をひろげて具合を確めているから、そろそろ挿入するつもりなのかもしれない。力の抜きかたは心得ているが、「これ」に気づいてしまってから集中できない。
「……なに、ほかのこと考えてんだよ」
「あっ、まっ、あぁあ! あッ、ひ、ぁ、あーッ!」
 ほんのわずかな異物感とそれを大きく上回る快感に襲われ、ペニスを肉壷に押し込まれたことを察した。
 初めから容赦なく、おとこは壁を突きあげてくる。弱い部分は知り尽くされてしまっていて、亀頭がごりりとポイントを押しあげるたびに抑え切れない嬌声が溢れた。
「ぁっ、あ、やー……ッ、らめ、ぁ、あん、ちんぽ、きもちい、いい、よぉ……ッ」
 長らく他人から悦を与えられることがなかったため、たまっていた欲望がいともたやすく爆発しそうになる。
「あー、くそ、あんまもたねえ……」
 政貴もそれは同じなのか、動きに余裕のなさを感じとれた。
 するり、体を撫で回し始めた掌にぎくりと肩が跳ねる。
「ぁ、あ、や、さわん、なぁ……ッ」
「はあ? なんでだよ」
「ひ、は、ぁー……ッ、らめ、らめぇ……っ」
 透の拒否するような台詞を過ぎた快感からきたものだろうと結論づけたおとこは、必死に身を捩ってみせてもそれを無視し、胸にふれてきた。
「……? なんだ、なんか、濡れて……」
 ――ばれて、しまった。
 恥ずかしい。もういやだ。こうなってしまったなら、いっそ。
 動きをとめてしまった政貴に変わって、腰を振る。喘いでいれば、なにを聞かれても答えずに済む。そう、判断しての行動だった。
「ぁ、ぁ、あ……ッ、や、あん、ぁッ、あッ、あぁあ、あー……、」
 どうしよう。きもちいい。とまらない。
 ひとり愉悦に酔いしれていると、突如両腕をひっぱり体を起こして反転させられ、向かい合うような体勢にされた。その衝撃が、繋がったままの場所にもろに響く。
「ひぃっ!」
 情けない声をあげて仰け反ると、そのまま濡れた乳首を指でいじめられた。
「おい」
「あッあッ、らめ、ちくびらめぇ……っ」
 とろとろ、赤く尖ったそこから溢れる液体。もう、隠すことは不可能だった。
「なんだ、これは。……母乳か? 母乳なのか?」
 味を確かめ、「あまい」と呟くおとこに観念し、透は事情を説明した。
「こ、高校またいき始めるまで、宝にやってた、んだよ……。もう、粉ミルクにしたから、次第に出なくなるはずだって、母さんが……」
「じゃあ、なんでこんな垂れるほど出てんだ」
 そんなの知らない。こんなことは、初めてだった。
「や、も、わかんないから、さわるな、ってぇ……」
 興味津々、といった視線が突起に突きささる。それから、以前よりもすこし育ってしまった粒をくにくにと捏ねられ、嬌声と乳が零れた。
 きゅうきゅう、蕾がしまって政貴のものを刺激するも、彼は肉棒をがちがちにしておきながらなんでもないような顔をして胸をいじくる。
「は、ぁ、も、や……ぁ、うごけ、って、ばぁ……!」
 ずっと我慢していた体は、愉悦を求めてどうしようもなく疼いていた。これ以上焦らされたらおかしくなってしまうと、必死に腰を揺らして続きをねだる。
 陰部からは愛液がだらだらと滴り、後ろまでつたって結合部のぬめりをよくしていた。
「うっ、や、も、ひど……、は、ぁあ、ぁん……っ」
 我慢できず、反り返ったペニスを自身で扱くと一気に頭が真っ白になり、すぐに達してしまいそうになる。
 アナルでも快感を得られるということを透の体はしっかり覚えており、女性器になにも入っていないことにわずかな侘しさを感じはしたがそれもささいなことだった。
「せんせえっ、おれ、も、いく、けつまんこ、きもちい、ぁ、ぁ、おちんぽクリトリスも、すご、ッあ、ぁー……ッ!」
「……そのまま、デカクリ自分で弄ってろよ」
「えっ? あ、あぁっ!? ひ、や、やめ、あぁあん……!」
 突如、協力的に動き始めたおとこは奥を穿ちつつ右の乳首を吸い、左手で左のそれを、右手で蜜壷を愛撫した。至るところから愉悦に犯され、まともな呼吸をすることすらままならなくなる。
 だめになる。ぜんぶが。
 脳みそも身体も、ぐちゃぐちゃのどろどろにとけてしまいそうだった。
「ひぃッ、あ、あ! らめぇえ……! そんなっ、いっぱいしたら、おかひく、なる……っ、ぁっ、ひ!」
「おれがふたりいたら、マンコにも突っ込んで前と後ろ、交互に突いてやれんのになあ」
 膣内のおんなのように感じる部位を指でこすられ、そんなことを言われてしまえば想像しないわけにはいかなかった。
 二本の凶器に突きあげられる妄想をすれば、そんなのむりだとおもう反面、淫らな体は期待に震える。



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