「ぁ、や、やっ、やだ、せんせ、やめ、ばかっ、へんたいっ」
足を必死にとじようとするも、ゆるしてもらえない。
口をぱっくりひらいて、涎を垂らし、雄の挿入を今か今かと待ちわびているいやらしいおんなの部分が、綺麗に磨かれているそこにくっきり映し出されている。
とても見ていられなくて目を瞑るも、逃げるな、と肉棒をこすりつけられてしまい、「あぁんッ」といやらしい喘ぎ声が洩れた。
「おら、チンポほしいならちゃんと見てろ」
「やぁ……っ」
政貴の亀頭が、淫穴にキスをしていた。ちゅっ、ちゅっ、卑猥な音をたてて透を煽ってくる。
「――ッ、いれて、ぁ、チンポ、いれて、マンコにぃ……っ、ほし、ぁ、あーッ、ぁん!」
見なくてもそこがどうなっているのかリアルに想像できてしまうのに、おとこはしっかり瞳に焼きつけろと命じてくる。今、自分が雌になっていることを、自覚しろと言わんばかりに。
焦らされ、たえ切れなくなりおそるおそる瞼を持ちあげると、正面にはまさに今、合体しようとしているふたりの姿があった。
「っひ、らめ、こんな、やらし、ぁ、や、――ッあぁあ!」
結合部を注視していると、徐々に赤黒い凶器のようなそれが肉壷に呑み込まれていった。
おそらく、目線を反らしたら挿入をとめられてしまう。そうおもうともう、そこから目が離せなくなってしまった。
「は、はいっちゃ、マンコに、ぁ、チンポが、ぁー……、ッひ、ぁあ、や、あン、んん……!」
恥ずかしくて仕方ないのに、体は辱しめられることによろこんでいるのか、愛液をこれでもかというほどに分泌している。
すべてが埋め込まれると、政貴がゆっくりと腰を揺すり始めた。透は慌てて懇願する。
「せんせっ、ゆっくり、ゆっくり、して、いきなり、きもちよくしちゃ、だめ……っ」
言ったあとに、これはさんざん焦らされ泣かされるパターンになるんじゃないか、という想いが過ったが、それは杞憂に終わった。――訪れたのは、逆のパターンだったからだ。
「ッあぁああ!?」
ごりいっと、中を抉るように突きあげられ、背中を反らして嬌声を散らせば胸の突起を摘ままれ、ひいひい啼くしかなかった。
「あーッ、あぁーっ! ひ、っい、あぁあ……!」
「しゃべれなくなるほどいいのか?」
いじわるな問いに答えることのできる余裕は、ない。
ぐりぐりと感じるポイントを抉られ、とろけたみっともない顔で喘ぐ。
「ひっ、は、ァ、ぁー……ッ、あん、ぁ、らめ、くる、ふ、ァあ、あーっ、あッ!」
下腹のあたりが、きゅううっと疼いた。
頭ではだめだとわかっているのに、精子を子宮に注がれたくてたまらなくなる。
「は、ぁ、も、ゆるして、ァ、あぁン……っ、や、ぁ、ああ、あーッ!」
棒のように硬くなり、勃起した自身のペニスはすこしふれられただけでとてつもない快感を拾ってしまうのだから困る。
「ひっ、ひうっ、いく、いっちゃう、ぁ、でる、せーし、でちゃうぅ……!」
「いいぞ。ほら、イけよ」
大きな掌に包まれ、上下に陰茎をこすられれば限界は呆気なくやってきて。
「やっ、あッあッ、あぁーッ!」
卑猥な色に濡れた悲鳴をあげ、透は白濁を吐き出した。勢いよく噴き出したそれは鏡に飛び散り、よりいっそうふたりの情事を淫靡に見せた。
「ぁっ、ぁう……、も、抜け……っ、あとは、口で、するから……」
「はあ? 冗談言うな。おまえだって、奥まで犯されないと満足できねえだろ」
中にある雄の存在を逃がすまいと襞がうねっていても、ここでやめなければ後悔する。
わかっているのに、軽く突きあげられるだけで理性はすぐさま崩れ去ってしまいそうになる。
「……ッ、だめ、だめだ……っ、抜けよ、抜け、って……」
「おまえさあ、」
低く、冷たい声が耳元におとされ、肩がびくりと跳ねた。
嫌われた――?
背中がぞっとしたが、唇を噛んで縋りたくなるのを我慢する。
「なにをそんな怖がってるわけ?」
え、と政貴のほうを向こうとするも、蜜壷に入っていたもので唐突に穿たれ、かなわなくなってしまった。
「――ッ! あ、あ、あ! やっ、だっ、ぁ、あーッ」
「ほら、ここ、好きだろ?」
「ひぃんッ、ぁ、ゃ、そこ、らめ、らめぇ……っ、まんこ、きもちよく、なっちゃ……ぁっ」
快楽に弱い体は、数度性交を重ねただけなのにポルチオで感じるようになってしまった。そこはほんとうに、未知の感覚を透に与えた。今までにない、底なしの絶頂感に恐怖すらした。だが、自分が恐れているのはこの「快感」ではない。
「……とおる、」
「っぁ、」
――卑怯だ。名前を呼ぶなんて、ずるい。
ぎゅうぎゅうと膣が自らの意思ではなく、勝手にしまる。
泣いてしまいそうなくらいの幸福感に満たされ、もういいか、とあきらめた。
「んっ、ん、せんせ、して、いっぱい、まんこ、ぐちゅぐちゅして、――はらんじゃうくらい、せーえき、ちょうだい……」
鏡の中で、互いの視線が絡まる。
そこに映る自身は、とてつもなくものほしそうな表情をしていた。種つけされたくて仕方ない、雌の顔だ。
「っひ! はっ、あッ、あん、ぁッ、あー、あぁんッ」
へそをくりくりとおとこの指が弄る。そこじゃなくて違うところをさわってほしいとおもうのに、じわじわ湧きあがってくる不思議な感覚に悦を見出だしている自分がいることも確かだった。
ぐりぐり、亀頭が膣奥を嬲る。そのたびに言葉にしがたい愉悦の波に襲われ、鏡なんて見ている余裕もなくなっていった。
「っう、や、い、く、ぁ、おく……ッ、ひ、まんこ、きもちい、ぁ、あー……っ、あッ、ん、ひぃ、っ」
びくびく、腰を跳ねさせ達したことを知らせても、政貴はかまわずピストンしてくる。まるで、けもののように。
「んっ、んー! ぁ、らめ、まっ、ぁ、いってる、いって、ぁ、あぁーッ! ひ、ぁあ、また、くるっ、まんこ、いっちゃう……!」
たて続けに極まり、息も絶え絶えに啼く。それでも、ペニスは中で暴れ回るのをやめてくれなかった。
意識が朦朧として、もう限界だと悟った刹那。
「……っ、出すぞ」
小さな呻き声とともに、子宮に精液を吐き出された。
「ぁあ、あ、あ……っ、あつ、ぁ……、ゃ……」
身を捩り、解放を望んだが政貴は離してくれない。がっしり体を抱き込み、後ろから唇を食んできた。
「ん、ん、ふ……っ、ぁ……ん、」
緩やかに舌を絡ませ、角度を変えて唇を吸い合う。しばらくそれを繰り返したのち、おとこが「体洗うか」と言った。
もうくたくただったので素直に頷く。すると、台詞には続きがあったらしく、政貴は先ほどの言葉に繋げるように声を発した。
「あがったあと、ベッドでもう三回中出ししてやるからな」
「え……、いやいやいや遠慮する、っていうかおれもう疲れた……」
「ひとりだけ満足して、おれは放置か?」
あんたがそうさせたんだろ、と反論することはたやすいが、なにを言っても彼は屁理屈を並べたててそれを受け入れることはしないだろう。
失神でもしてしまえばさすがに続行はできないはずなので、未来の自分に淡い期待をしつつ。
透はため息をひとつおとし、政貴に身を委ねたのだった。
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