2


「っひぃい
「あ……すっげ、とろっとろ……」
 潤滑剤をまとった指を蕾にさし込まれ、色欲に濡れた声でしみじみ言われて羞恥を覚えたが、どうにもできない。だって、それは事実だ。ぼくのアナルはもう、女性器のようにとろけて忠さんに犯されるのを待ちわびている。
 くぱくぱ、指で穴のぐあいを確かめて、これならへいきそうだな、と呟いた彼は先端を窄まりに押しあてた。
「ぁ、あーッあ、まって、ローターローター、とめてぇっ
「なんでだよ。入れたままでもいいんだろっ?」
 言うなり、忠さんは腰をぐっと進めた。ずぷん、と呆気なく熱い棒が中に入ってしまい、奥で暴れる玩具の代わりにと言わんばかりに、前立腺をこすられた。
「あッひッだめ、そんな、おくと、ぜんりつせんっりょうほ、あたっちゃあぁあッ
「ん、きもちい?」
「は、ひ、い、いいッよすぎるあー……ッすぐ、きちゃう、よぉっ
 激しくよがるぼくとは裏腹に、忠さんは不満があるみたいだった。
「あー……、んん、わるくねーけど……、やっぱりおれが奥を突きてぇなあ。一回抜くぞ」
「ぁン……
 にゅぽ、と抜かれたペニスに名残惜しげな喘ぎが洩れるが、すぐに空洞は埋められると知っているため、我慢する。
 深い部分で踊っていたおもちゃをつまんでひきずり出し、ふたたび挿入されると今度は亀頭に最奥を穿たれる。
「んっあ、あン……やぁ……ッ
「っ、あー……、たまんね……。秋穂のここ、トロマンなのにきつきつで、最っ高」
「ん……、うれし……ぼくのとろとろおまんこで、ただしさんも、いっぱいきもちよくなって……
 続きをねだるように腰をくねらせると、「まあ待てって」と背後で苦笑された。
「せっかく買ったおもちゃ、使わないと損だろ? 今日はこれで――イき狂わせてやるからな」
「……ッ
 ヴヴヴ、と小さく鳴る機械を尻にあてられ、期待に体を震わせると忠さんはそれを繋がっている部分から強引に中へともぐりこませた。
「ぁ、ぅっ」
「わるい、痛かったか?」
「ぁ、ん、へいき、です……ッ、ふ、ぁ、あぁ……
 忠さんがローターをうまく移動させて、前立腺にそれをあてられると意識がふっ飛びそうな凄絶な悦の渦に呑み込まれる。
「あっ、あぁあなに、なにこれぇっあッあッだめ、やすごいッあーッおまんこ、なか、ぶるぶるするうっ
「はは、これ、やばい。あー……っ、おれも、ローター、チンコにあたって……っ」
 おもちゃでひたすらに手前にある性感帯を抉られているのに、忠さんはさらに奥の性感帯を小刻みに突いていじめてくる。あまり大きく動くとずれるからそうするんだろうけど、正直、それだけでやばかった。ふわっ、ふわっ、いつイっても、失神しても、おかしくないほどの快感に浸される。
「おまんこおまんこっ、きもちいただしさぁん……おまんこすごいぃぁーッおまんこぉっ
 卑猥な単語を連呼して、腰を揺らした。もうこれ以上きもちよくなったらやばいって、頭は言っていても、体が納得していないのだ。
「秋穂っ、マンコ、マンコイくかっ?」
「んっいくいくぅっただしさんのおちんぽと、ローターでぇ……っぼく、おまんこだけで、いっちゃうぅ……
「おら、イけっ! このスケベマンコで、おれが種つけするまで何度もメスイキしろっ!」
 べちん! と強めにお尻をたたかれた瞬間、あまりにもきもちよくて、淫らに喘ぎながらぼくは呆気なく絶頂していた。
「――ッあぁめすいき……っしちゃっ、たぁ……
「なにぼーっとしてんだ。まだまだこれからだぞ」
 恍惚としていると、さらに腰を打ちつけられる。それから、あの日からクリトリスになってしまった性器も、刺激された。
 全身が性感帯になったみたいで、もうどこを弄られてもたまらない。先っぽがじんじんとしてきてなにか、変なものが出てしまいそうな感覚がじわじわ湧きあがってきて、それが限界に達した刹那、ぼくは慌てて身を捩った。
「やっ、だめ、ただしさ、ただしさんっ」
「なんだ、秋穂」
「まって、だめ、と、といれ、といれ、いかせて」
 いくら性癖を曝し合った恋人の前とはいえ、漏らすのはとてつもなく恥ずかしい。お願いだから、と懇願してはみたものの、ゆるしてもらえない予感はすでにいやというほど感じていた。
「ここでしちまえ。どうせ、シーツはあとで洗うんだ……っ」
――案の定。
 ごしごし、痛いほどに先端を擦られて「だめ、だめ」と子どものように泣いてみせても、忠さんは絆されてなんてくれなかった。
「や、や、もれちゃ、おしっこ……っ、でちゃう、やだ、やー……!」
 下半身がずんと重くなり、もうだめだ、とあきらめたそのとき、ぷしゃあ! と尿道から液体が噴きあがった。

 
bookmark
back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -