「名前先輩、しりとりしましょ」

「私いま忙しいんだけどな・・・」

「いきますよ?」

「(わあああ、始まってもうた)」

「りんご」

「ご?(早く終わらせてやろ)ごはん」

「うわ、名前先輩最低ッスわ」

「いいんですー」

「せや、名前先輩負けたんやから罰ゲーム」

「・・・え」

「当然やないですか」

「ちょっ、タンマ。先に言わないと無効だよね」

「言いました」

「言ってなくない?」

「言いましたよ、小声で」

「聞こえなかったら無効だよ!」

「名前先輩の耳が遠いだけや」

「あれぇ・・・」

「罰ゲーム何がええんやろなぁ、名前先輩が嫌がりそうなことがええなぁ」

「・・・財前くんこわい」

「え?何か言いはりました?」

「・・・さーて!仕事しなくちゃ!」

「あ、無視ッスか」

「ほら、財前くんも練習しなくちゃ」

「ちぇっ、そらないわ」

「ありあり。いってらっしゃい」

「・・・あ、」

「うん?」

「名前先輩、いってらっしゃいのチューは無いん?」

「ないよ。ふつうに」

「罰ゲーム、じゃあほっぺにチューで」

「・・・え、えええ!?」

「早うしてくれませんか」

「い、嫌!」

「・・・あー、傷付いたわ。名前先輩酷い。ホンマ悲しいわ」

「えっ、えぇ・・・?」

「早うしてくれんと立ち直れんわ。もう部活出れんなあ」

「ざ、財前くん・・・?」

「チューしてくれへんのなら話し掛けんといてください」

「(わああ、超不機嫌だ)」

「名前先輩のアホ」

「(お、女は度胸!)・・・財前くん、ちょーっと目つぶっててね?」

「おん」

「(うわあああああ、自分でやるって決意しても緊張はんぱない!)」

「早くしてくれんと目ぇ開けますわ」

「わっタンマ!それはタンマ!」

「ちぇ」

「い、・・・いくよ?」


(ちゅ)


「(やっぱホッペか)」

「ざ、ざいぜんくん・・・?」

「・・・名前先輩顔真っ赤」

「・・・自覚してます。慣れないことしたと思ってます」

「めっちゃ可愛ええ」

「嘘はヤメナサイ」

「嘘やないですわ。じゃ、俺部活行きます」

「・・・いってらっしゃーい」

「・・・あ」

「・・・うん?」

「行ってきますのチュー忘れとった」

「ぎゃああああ」



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