ノボリさんが作ってくれた美味しいご飯を食べたあとは、二人で並んでヨーテリーのドキュメンタリー番組を見ていた。
イッシュ地方の番組を観るのは初めてだったのでシャンデラと夢中になって見ていたのだが、お腹いっぱいなのと膝に乗ったシャンデラの暖かさでついウトウトしてしまう。
ヨーテリーがただでさえふわふわに見えるのに、丸まってムーランドと親子で寄り添い眠る姿がまた眠気を誘う。
フワァと欠伸をしているのを隣に座っていたノボリさんに見られ、「今日は早めに休みましょうか」と私の背中を撫でた。
それがまた眠気を誘い、こくんと首を縦に振って返事をし、ノボリさんに案内されながら寝室へ向かう。
寝ぼけたシャンデラが火事を起こしてはいけないのでしっかりとボールにしまった。


「明日は早いんですか?」

「いえ、明日は午後からの勤務ですので、ナマエ様の荷物整理を手伝おうかと」

「えっ、いや大丈夫です!サブマスマスターって大変なお仕事なんでしょう?お休みくらいゆっくり休んでください」

「わたくしがやりたいのです。お気になさらず」


上手くかわされてしまい、ノボリさんは私にベッドの壁側を勧めた。
おそらくここでまた「ノボリさんが壁側へ」と言っても上手くかわされるので大人しく従うことにする。
私がちゃんと布団に入ったのを確認したら、ノボリさんが少し顔を赤くして「失礼します」と同じ布団の中に入ってきた。


「自分の布団なのに緊張するんですか?」

「・・・女性と同じ布団に眠るという経験がないものでして」

「私なんてまだまだ子どもですよー?色気もないし。気にしないでくださいね」


じゃあおやすみなさい!と私は壁側を向いて眠りにつくため瞼を閉じる。
ノボリさんと話して少し目は覚めていたとはいえ、布団に入ってしまえば一日の疲れがどっと出てまたすぐに眠気が顔を出す。
明日の荷物はいつ頃着くのだろうか、と考えたのを最後に私は眠りについた。







最近の女性は危機感があまりなく自由奔放なのかと思うくらい、彼女の提案には驚かされた。
既に眠ってしまったのか、肩を上下させているだけで話すこともそれ以外に動くこともない。

確かにわたくしとナマエ様の年齢は離れていて、更に言えばナマエ様は未成年。
まだ子どもだとご自身で言われるのもわからないではない。
しかし、18歳ともなれば身体は既に大人と同じであり、「子ども」と括るには些か不自然さを感じる。


「わたくしでなければ、今頃襲われていてもおかしくはないのですよ」


そうナマエ様に言っても、返事はこない。
わたくしに背を向けて眠っているナマエ様の少し乱れた髪を梳き、わたくしもそのまま眠りについた。



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