01
2011/09/15 16:21

 室内は薄暗い。部屋は薄暗いランプの明かりだけなのだから当然だ。しかしかといって他に明かりがない訳でもないのだが、何故だかそれは使用されていなかった。重ねるが結果として薄暗い。

「灯りつけろよ」

レイベリオはわざわざその薄暗い中でしかもソファの上で膝を引き寄せて座っているエイベルに対してそう言った。そちらをろくすっぽ見ていなかったが、それはお互い様だ。エイベルの手元には明日の試験対策の参考書が持たれており、視線はそちらに注がれたままだ。レイベリオの視線の先ではローテーブルの上には同じような本や書きかけのメモが置かれている。その様子にレイベリオは器用に片目だけを眇めた。その表情の変化に気付いてエイベルが顔をあげ、呆れたような複雑な表情を浮かべているレイベリオを睨めつけるが、すぐにその視線は時計へ移る。もう帰ってきたのかと思ったが、時計の示す時間は既に深夜だった。“もう”帰ってきたではなく“やっと”帰ってきたと表現するのが正しいのだろう。帰宅に気付かなかったばつの悪さをなんとなく感じてしまったエイベルは誤魔化すように口を開いた。

「……つけてんだろ」
「目悪くなんぞ」

参考書を閉じ、ゆっくりと足を伸ばすと長時間その格好でいた所為か脚の痺れを感じる。自分の脚でないような感触に顔を顰めていると、レイベリオの溜息が耳に入ってきた。さっきからいちいち目に付く耳につく呟きや溜息をエイベルは意図的に無視する事に決めている。追及したところで面白くないことになるのはもう経験で分かっている為だ。それはもう痛いほど。零れそうになった欠伸を噛み殺しながらも、先の溜息は非難か呆れかどっちかだろうと――無視をしようと決めたのに――そう判じてしまったのは無意識で、それをしっかりと意味を理解する前に苛々と頭を掻く。

「あー……お帰り」

家の主に向けて言うと案の定、にやにや笑いがそこにあった。ただいま、と無造作に返された挨拶が妙に気持ち悪かったので、見ないふりをきめこんだ。











* * * * * *

照れくさいのを気持ち悪いと置き換えているひとのはなし。

因みにタイトルはちゃんと提出する作品にだけつけようかなと思います。
ていうかそのあの文章ってどうやって書くんでした、っけ……\^q^/
もっとだらだら会話してたんですがレイベリオ様がどんどん別人臭くなっていく…!のでばっさり(という言い訳/をするんじゃない)
リベンジもそもそします……ま、まああくまで練習っていうか!その!
蓮崎様ごめんなさい!!次から本気出す!!
(おっさんは絶対に窺わせないけど小指の先くらいはカルたんを気にかけてくれると信じている)(そんな408でした)



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