アイゼルネ・ユングフラウif番外編、突発1dayの「メイドによるクロコダイル調教」「メイドがクロコダイルとのお付き合い報告」の続編/一応性的(R17)にお下品な要素を含みます。苦手な方はブラウザバック推奨です。



「は? おれはアラバスタに行きませんけど?」


 一、明日お帰り予定のクロコダイルさんが、さも当然のようにおれをアラバスタにお持ち帰りする口振りだったため、確認してみれば案の定だった。
 二、なので、つい加害者という立場を忘れてそんなことを言ってしまった。
 三、そうしたら、クロコダイルさんの機嫌と眉間の皺がすごいことになった。うわ、コイン挟めそう。


「どういうつもりだ? テメェは責任取るんじゃあなかったのか?」

「もちろん、そのつもりですよ。だからお付き合いって形になったわけですよね?」

「だったら、」

「遠距離でいいんじゃないですか。七武海ならどうせ年に一回は会えるわけですし」

「仕事のついでに会う相手を、恋人と言うのかテメェは」


 ある意味ごもっともな意見ではあると、おれも思う。思うのだが、交通事情を考えたときおれから会いに行くというのはほぼ不可能なのだ。休みが取れれば行ってみたいと思うし、側にいられればそりゃあいいだろうとも思うけど、距離考えたら無理だし。だから来いって思ってるんだろうけど、おれだって仕事があるし。辞める気ないし。
 ちなみにおれと同じく本部勤務の海兵さんは遠距離恋愛している人も多い。この島で付き合っても遠征に出なきゃ行けなかったり、行った先の島で付き合ったり様々だが、結果は言わずもがな。多くの女子は遠くのイケメンより近くの頼れる人と結婚します。つら。


「いきなり仕事は辞められませんよ。まあ、クロコダイルさんと付き合ったから辞めろって言われるかもしれませんけど、それも機密漏洩しそうだと思われそうですからどっちかって言うと別れろって言われそうですね」


 勢いに任せてお付き合いなんぞしてしまったが、敵対勢力である海賊、しかも力のある七武海と付き合うって一番ダメだったのでは……? 社会人としてあまりにも自覚のない行為だったと言わざるを得ないね! 性欲が原因でそんな状態になってるとか恥ずかしくないの? 死んだら?
 って感じかもしれないが、多分、箱入り娘のぽわぽわさと年齢を加味されて許されると思う。 実際はいい年した庶民のおっさんなんですけどねぇ! ほんと皆様にはご苦労とご心配をおかけしております……ごめんなさい……。


「とりあえずおれが休暇で行ける範囲はシャボンディ諸島くらいですから、クロコダイルさんがこっちに用があるときにでも落ち合うというのはどうです?」


 海図やらで確認したことがあるけど、まとまった休みが取れたってアラバスタは遠いから無理だ。詳しくはよくわからないけど、どんなに急いでも一月くらいかかるんじゃないか? 海軍の船なら、そうでもないのかもしれないけど……私用で使えるものでもないし、おれにはどうすることもできない。……いや、まったくもってどうすることもできないわけでもないんだけど、うーん、この、それについてもおれの力ではないんだよなァ。
 だがクロコダイルさんの不機嫌は直らない。彼の希望はおれを連れ帰ることであるため、おれの案には納得できないのだろう。何を考えてるのかわかるだけに、苦笑いしか浮かべられなくなる。手を出したおれが悪い。殺されない代わりに恋人ということで責任を取ることになったのだから、当然、クロコダイルさんの望みを叶えるべきである。わかる。わかるんだけど……やっぱり仕事は辞められないし。


「──それで? 言いたいことはそれだけか?」

「性欲処理したかったらそこらへんのプロのお姉さんにお願いする方向で」

「ほう、堂々と浮気宣言か」

「いや、おれじゃなくて、クロコダイルさんが、ですよ。おれは恋人がいる間は他に手を出しませんよ」

「は、どうだかな。テメェが我慢できるとは思えないが」

「まあ、性欲に関しちゃ否定しませんよ。現に欲望のまま、クロコダイルさんのこと襲ってますしね。でもそれとこれとは別です。どうしても無理なら右手と仲良くしておきますよ」


 開き直るのもどうかと思うが、嘘をついてもしょうがない。おれは性欲に素直な性格であることは否定しないし、肉体に釣られているのか、有り余っていると言ってもいいだろう。だが、偽りとも言える恋人だったとしても、恋人がいるのであれば誠実でありたいと思うのも本当だ。
 だが、疑われたとしても近くにいない以上、証明のしようもないわけだが。女子と違って処女膜があるわけでもないし、ある程度経験があるため今更他のやつとヤって妙なクセがついたりもしない。そもそも男側の浮気を確認するのって近くにいないとすごい難しいと思うし。だからそう。もっと簡単な方法がある──ヤれないようにしちまえばいいという結論になる。


「よし。わかりました。なら今から貞操帯を買いに行きましょう」

「……は?」

「それをおれにつけりゃあいいじゃないですか。そしたらセックスどころかオナニーもできないですし。なんなら罪を背負って生きて行きますから一生それでもいいですよ」


 最も信頼度の高い性行為を禁止する方法として、局部切り落とすっていうのがあるんだけど、それには気が付かれないように話を進めたいと思います。まだ死にたくないし、こんな格好してても女の子になる予定もないんでね!
 まあ、射精管理する趣味はあっても、される趣味はないから本当は貞操帯を装着するのも嫌なんだけど、自分がしたことの責任は取るつもりでいる。ただ別れたら容赦なく壊すつもりではあるけど。現実ならまず不可能だけど、ここの世界観的には容易に壊せると思うんだよな……。おれみたいな超絶美少女にしか見えない美少年が、『実は貞操帯で射精管理されてるの。助けて……』とかエロ本状態なったら正直誰にでも助けてもらえると思う。見返りがおれの貞操だけど。ていうか待て、その状態でケツ狙われるかもしれないって危なくない? こわ。そんなときが来たら相手はよく考えよ。
 おれの内情など知りもしないクロコダイルさんは、なんとも言えない表情になってしまった。その顔エロくない? ムクムクと沸き上がりそうになる欲を抑え込むべく、つい冗談交じりの言葉が飛び出した。


「あ、じゃあいっそお揃いでしてみます?」


 そう言ったのは、勿論ノリである。ふざけんな、と言われるのが目的での言葉だった。だってお揃いの貞操帯ってなんだよ。余程貞淑で厳格な二人じゃない限り、ド変態カップルだろ。なんだそれ。
 だというのに、クロコダイルさんは動きを止め、唇に手を当てて考え始めた。理解が及ばなかった、という顔ではない。おそらくこれは、貞操帯を身につけたところを想像しているのである。そうしてたっぷり十数秒の間のあと、視線をほんの少し下に落として口を開いた。


「……馬鹿なこと言ってんじゃねェ」


 それはおれの望んだ罵倒だった。だが望んだのは空気を誤魔化すような、茶化すために欲した物であって、そんな声色ではなかったのだ。だって、これじゃあ期待されてるようなもんじゃないか。……はあ? そんなの、超興奮するんですけど?
 気が付いたらおれはクロコダイルさんに擦り寄っていた。興奮して口の中に唾液が溜まっている。


「ね、クロコダイルさん、一緒につけましょ。鍵を交換して持って、外したくて堪らなくなったら会いましょ。ね? いいでしょ」


 猫撫で声の懇願に、クロコダイルさんが仕方ねェなとばかりに頷いてくれたものだから、もうどうにも我慢できなくなって、そのままキスして口の中に溜まっていた唾液を飲み込ませた。ヤバい、クロコダイルさんがおれの唾液飲むの超興奮する。思わず押し倒してしまうと、クロコダイルさんが喉の奥で笑って言った。

お前には必要な枷だな
アイゼルネのメアリちゃんとクロコダイルさんのお話がとても好きなので、よろしければ続編でいちゃいちゃするお話。ちょっとえっちな感じだととても嬉しいです…!@匿名さん
リクエストありがとうございました!



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