召喚された五次槍を伴って昼ドラ陣営と対話



これまで様々に問題点を挙げ、如何に此度の聖杯戦争がおかしいかというのを立証、それに同意をした彼と此方とで一応の共闘関係にまで漕ぎ着けた。というのに。やはり彼に聞いていた通り下らない拗れが生まれているらしい。全く何と情けない話である事か。



「ご機嫌ようロード・エルメロイ。ご機嫌よう、ソラウ嬢。何故突然此処へという問答には応じないものとお思いを。そちらへ攻撃をするつもりは有りませんからその辺りはどうかご心配無きよう――それよりもさっさと本題に入りましょうか。…私が述べたい事としては、有能なサーヴァントを有能なまま扱えないのは非常に残念だ、というものです。えぇ、本当にね。それからロード・エルメロイ、何と情けなく嘆かわしい事か…呆れて笑えすら出来ません。頭が良いのはいいですが、頭だけでっかちではこの先の時代とてもやってはいけませんよ幾ら魔術師であろうとも」



――と、いう訳で。そこなサーヴァント・ランサー。私が貰い受けますね。剥がしますから痛いのはどうぞ我慢して下さいな。
にっこり笑って言い切れば、すぐさま敵意を此方へ向けるその陣営連中だが、既にネタは仕込んである。水銀の防護も槍兵の動向もさして気にする事ではない。

根底は貴方のためだというのにまぁそれを推し量るでもなく、終始静かに激昂していた深緑の男もそろそろちょっと煩いので、少し強行手段を取って黙らせる。口を利けなくすると、私の傍らの醒めるような青の彼が、容赦ねぇなと一言呟いたのを耳にしてそちらへもお黙りと一喝。…そうしたら宥めるように頭をポンポン叩かれた。いや他ならぬ貴方のせいですよ今のは。



「揃いも揃って喧しい!才能が故にプライドもやたら高くなっちゃったケイネスお坊ちゃまに、策も講じず魅了の効果を殺しきれずでまんまと落ちてしまった哀れなソラウ嬢、この2人は全く…と思っていたけど、いやはや貴方にも落ち度はしっかり有ったみたいだね。存外、機微には疎いらしい。やれやれこれだから男女ってのは…」

「お前みてぇなガキが男女語んのか…「ん…?」いや何でも」

「――私を認めないのは結構、命に従わないのも結構。あのめんどくさいところに戻りたいと言うのならそれも結構。勝手にしてくれて構いませんよ。ま、それが出来るのなら、だけど」



綺麗な金は確かに揺らついた。あとは、赤に任せよう。からかい癖の有るようなこの彼だがそれ以上に頼れる男だ。きっと、すべき事を、掛ける言葉を、促す先を、心得ているだろうから。





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