クー・和実・ディルムッド
「――ったくいつまで泣いてんだお前はよぉ」
「うるひぇえええええええグスッうっうっ」
「カズミ、目が腫れ始めてしまっているぞ…すみません、ハンカチを濡らしてきます」
「あぁ、ありがとう、行っておいでディルムッド」
「なぁ腹減った」
「…彼が戻ってくるまでお待ちよ我が儘坊や」
「ノアパパマジつれぇ…つれぇよノアパパ…」
「まーよくもまぁあんだけ徹せたとは思うがよ、俺も」
「使命を課された者の鑑でしたね。…俺としては、あのウォッチャー達が最期、ああしてまた天へと昇っていけたのがとてもほっとしました。…いや、その、少し、自分と重ねてしまったからなのですが…」
「あぁ、終始報われなかったもんなお前」
「ハハ…はい…」
「何つったっけあのジジィ」
「トバル・カイン」
「そうそうそいつ。そのジジィの言うこたぁ割と賛同出来たわ。そりゃそんなもんだってよ」
「トバル・カインは真に人間で在ったからね。私も、否定はしないさ。…主体となった者達その誰もの内情は、よく理解出来るし仕方の無い事と思うよ。だって、彼彼女らは皆、人だ。…まぁ、特に、と言うなら、やはり同じ母たる者として、ナームには中々同意もしてしまったが」
「あたし的には1番ノアパパがもう何とも。苦悩のレベルパねぇ。切り捨てるべきものと、最後の最後で切り捨てられなかったものって、それらがぜーんぶ終わった後になってノアパパにごっそり圧し掛かってきて、そっりゃあ酒に酔っちまいたくもなるってもんすよ………あっやべ思い出したら涙腺がががががヒグッ。…てかハム君くそ可愛かった何アレ、迫りたい」
「オイ」
「あとあんなエロ突入紛いのシーン多いだなんて思わんかったっす。美味しく戴きましたけども」
「…カズミ、お前はまたそういう…」
「ディル、こいつそういう奴だろ」
「そうですが…!いや、そうではありますがそうでは無いでしょう…」
「アレ観てたらヤりたくなったぜ俺は」
「ウワックー兄ウワッ」
「てめぇ人の事言えんのかオイ」
「あたし興奮はしたけどムラムラはしてねっすもーん!」
「同じだろうが!」
「あの、2人共場所を考えて下さい…」
「『ノア』は楽しむ映画ってよりは色々と考えさせられる映画だったっすねーでお次はハイ来ました!『マレフィセント』!どうやらアリワンの脚本やった人がこれ脚本やってるらしっすよっべーこれは期待大」
「…アリワン?」
「『アリス・イン・ワンダーランド』!今度ウチでDVD観ましょうぜレン姐!めっちゃ面白いんで!」
「えぇ、面白かったです」
「おや、ディルムッドも観た事が有るのかい。ふふ、楽しみにしておこう」
「今度はキャラメル味食うかー」
「さっきっから食う事しか頭にねーんすかクー兄」