イレギュラー



誰かを好くのも嫌うのも、だからその誰かを欲しいと殺したいと思うのも。そういう気持ちや意見、どんなものだって全部ぜーんぶ個人の自由だ。どれはいいどれは駄目なんてそんなの問題じゃあない。それに結局、最後に残ったものが幅を利かせる、そんな法則が出来上がっている。びっくり人間だらけの大航海時代真っ只中の何処ぞの漫画に出てきた台詞、桃色ドンキホーテな彼の言う事は本当に真理だろう。勝者が正義、敗者は悪。何も、道徳や倫理なんて難しいものでは無い。単純に、言い張れるだけの地位を獲得したか否かの話だ。――で、あるのだから。




「原作準拠だの原作乖離だの、誰を何処を救ってくれだの下手に関わるなだのええええええいいいいくそうるっせぇめんどくせぇ!!!!知るかヴォケ!!!!この中谷和実!!!!誰の指図も受けぬわァ!!!!あたしはあたしのやりたいようにやってやんよ!!!!」




どれが正しいのかなんぞ分かったら苦労しない。セカイはそんな簡潔に出来てもいなければ、優しく出来てもいないのだ。正しさの在り処なぞ分からないとする、あたしはそれを真理だと信じて疑いませんとも。醜いものもバッチ来いだけど今はそいつでゲッヘッヘメシウマ嗚呼愉悦!なんてやってる場合じゃねぇ。勝者が正義、ならばあたしが勝ち続けて正しさの決定権を握り続けていればいいという話。やってやろうじゃねーの、アーン?元よりそれが目的なのだから。あたしが烏は白だと言えば白なんだよオーライ?




「――ねぇ、知ってる?…なーんて知ってたらびっくりぽんなんだけど。――あたしの何回か繰り返された人生の中で、人を殺す、それを生業にした人生が有る訳よ。あたしはヒラだったけどそれだって何度も何度も何度も何人も何人も何人も人を殺してきた。銃で頭や心臓ブチ抜いてナイフで頸動脈掻っ切ってきた。だからさぁ?別にさ?あたし人殺す事に罪悪感とか躊躇とか、割と無い訳ですよ。それが必要であれば、或いはそれをして当然だってあたしが思うような相手であれば尚の事ね?ってあー違うよ違う、言っとくけどおかしくなったとか摩耗したとかじゃなくって。あたしはね諸君、何かをやる事に、遂行する事に徹するスキルをゲットしたって事、ただそれだけの話なんすわ」




諸君らは、邪魔である。完全に障害だ。何よりもあたしが生きるという事への。それを阻む、ただただ悪者。排除しなければならない、排除すべきに他ならない。


さてさて防護の礼装は何せ我らが女王様のお手製である。そしてあたしは元暗殺者、しかもタイマンより対多人数重視と来た。
さぁさ諸君らは駆逐対象完全ロックオーン!あたしの魔術とこの両手のベレッタが火を吹くぜ!てか魔術は火炎地獄だぜ!ヒャッハァ!




「行くぞ凸共。覚悟の貯蔵は十分か?」





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