モブ



『結構な数の人がアラヤ死ねって言うけどさ、ぶっちゃけアラヤそのものはウチら人間を護る存在である訳でただちょーっとばかし、こう、ウチらとは感覚がズレちゃってて?そりゃまそうだよね、数多が集まった末の1個体みたいなもんなんだし!てか高次レベルだし!』


思わず、固まる、頭の中が白くなる。


『感覚の違いによる弊害はいつになっても何処であっても変わんないわー仕方無い事だわーってな訳で、いや、てかあたしもそりゃクソ修正ペンンンンンてはなるけど?なりますけど?でも一概に悪しくは言えないっつーか?アラヤ…お前も苦労してんな…ってなってるぶっちゃけ。てへぺろ』


クシャリと誰かの、多くの者の顔が歪んだ。


『アラヤの駄目なとこは完全ブラック企業なそこに尽きるとあたしは思う訳で。でも考えてみるとアラヤをブラック企業にさせちゃったのは元を辿ればこれウチら人間のせいっしょ?そうでっしょ?じゃウチらのすべき事って何よ?…おいおい黙んなし!色々有るじゃんかー』


それは目を逸らしていた事の1つ。――そう、彼女の言う通り、だ。羅列された言葉は重く、鋭く、抉り出す。思えば、これまで1度たりと見ていなかった事に気付いて。彼女からの、アラヤに対する暴言、である。それは、記憶に無かった。修正力に対してこそ荒い事を言ってはいたが。


画面を前にして、彼は大きく息をつく。背凭れにぐたりと体重を掛けたせいで、ギシ、と椅子が鳴った。きつく、瞑られる目。彼と同じようにした者も居るだろう。




「――…そう、だよな。…俺らは、もっとちゃんと考えるべきなんだ」





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