おまけ



「おはやっほルッス」

「あら帰ってきてたのね!おはよう漣、2人だけでモーニングなんてどぉ?」

「うんただいま。それは願ったり叶ったりだよ」



「ところでルッス、ちょっと幾つか聞かせてほしいんだけどさ」

「ンフん、あの2人の事でしょう」

「そうそう」

「ボスは何て?」

「片方が綱吉君の実のお姉さんの沢田千代で、もう片方が何か、いきなり湧いて出たって事くらいしか」

「そぉねぇ、何から話したものかしらね」

「あーじゃあ先に沢田千代からお願いしようかな」

「分かったわ、それじゃあ千代ちゃんの事から」



「歳は19、小柄で華奢ね。あの沢田綱吉の実姉なだけあって、やっぱり呑気で平和ボケしてるわねぇ」

「平和ボケしてられるのはいい事だよ。…ま、それも今となっちゃあ彼女には過去のものにしかならない訳だけどネ」

「とは言え、弟クンよりかは随分と精神が逞しいみたいだし、よっぽど度胸も平素から持ち合わせてはいるようだけれどねン。…千代ちゃんがどうしてヴァリアーに来たかって、もぉアタシこれ聞いて身悶えしちゃったわよぉ!」

「え、何、ルッスが身悶えするような理由って事はもしや、誰か好きな人か会いたい人かでも居たワケ?」

「そぉぉぉなのよッ!あァ〜ん!堪らないわぁ…恋する女の子は無敵よねン…」

「マジかぁーーーえっ誰だれ?やっぱスクアーロ辺り?あいつうっせぇけど普通に中も外も男前だしな、いやでもお姉ちゃんしてる訳だしもしくはワガママ王子のベル?」

「それがち・が・う・の・よ〜〜〜!!アタシも最初はスクアーロかベルだと思ったんだけど、それが全く、全ッ然見当違い!」

「やっべ無駄にドキドキしてきた…!」

「ふふっ…誰なのか、聞きたい…?」

「聞きたい、聞きたいですお姐様…!」

「ンッフ〜〜〜漣もやっぱり女の子ねぇ〜!実はね、それが…――」



「お、恐るべしかな沢田千代…いっその事彼女がボンゴレのドンになるべきなのでは…、や、しかしこの場合もっと恐ろしいのは彼の方か…千代ちゃんのハートを射止めたって事だもんな…」

「どちらにしてもびっくりよねぇ本当に…」

「これは、アレっすね。俄然応援したくなりましたね。いや直接関われないからめちゃくちゃ草葉の陰からになるけども」

「そういえば初日にすぐ箝口令敷いてたわねボス」

「そっか、なら取り敢えずは安心かな。…んまーいずれというか早い段階でバレちゃいそうでもあるけども…ほら、ベルとかスクとかうっかり口滑らせそうだし」

「ン〜…残念だけれど、言えてるわねぇ…。でもそれだけ貴女の存在がアタシ達の中に馴染みきってるって事よ、漣」

「にひひ、それはよく解ってるしすごく嬉しいよ。…しっかしよっぽどめんどくさがってたわあの人」

「まぁそれもそうよねぇ…千代ちゃんはまだいいとしても、満瑠ちゃんは出が出だものねぇ」

「ただでさえ面倒事大嫌いだしね」

「ねぇ〜」

「千代ちゃんは超直感は?」

「持ってるみたいよ」

「余計すぐバレそうだなぁ」

「あの子はとてもいい子だし、その時はその時ね。元々お姉ちゃんだからかベルやマーモンともすぐに仲良くなったのよ。あの子供達、彼女によく懐いてるわ」

「成る程ねぇ。…戦えるの?」

「そっちはからっきしね。攫われでもしたらとぉんでもない事になるわよぉ」

「うっへーやだやだ!それ私が怒られるやつじゃんかもぉぉ…」

「アタシ達も注意してるけど、頼んだわよ私兵さん」

「ウィッス…」



「千代ちゃんの事は大体分かったけど、で、ミチルだっけ?そっちは?」

「名前は浮月満瑠、歳は17ね。何でも…別の世界の日本でコウコウセイだったらしいわ」

「んへ、…ベツノセカイ」

「そ、別の世界」

「ははぁ…まぁ10年バズーカだの、白蘭とかが言ってた平行世界だのって在るくらいなんだから、在るかぁ」

「こっちもこっちでまたびっくりよね」

「だねぇ」

「ブカツでバスケットボールをやってたんですって。だからか千代ちゃんよりかは、…いえアタシ達から見れば、残念ながらごくごく僅かな範疇ではあるけれど。戦わせられる程ではないにせよ、ほんの少しでも時間を稼ぐっていう点では、千代ちゃんよりかはマシかしらね」

「でも、それだとアレか、殺気に幾らかでも慣れが有るのは千代ちゃんだけか」

「えぇ、そうね。満瑠ちゃんたら、アタシ達がちょーっとだけ出した殺気ですぐに気絶しちゃったから」

「ハハハ…ちょっと可哀想だったなそりゃ」

「あの感じだと、変な勘繰りはあんまりしないで済みそうかも。初めの内はビクビクしてたけれど、快活で、根はやっぱりいい子だし…何より千代ちゃんね。彼女の超直感をして、害にはならないって事のようだから」

「そっか」

「まぁそれでももし万が一って考えて、監視は外さずにいるべきだけれどね」

「うん」



「…うわ、結構時間経ってたな。ごめんルッス、何か用事とか、」

「いいえ大丈夫よ、ウフフ、きっとこうなるだろうと思ってばっちり空けておいたの」

「そう?なら良かった。色々ありがと、助かったよ」

「どう致しまして」

「んじゃーまた、あ、うーん、と言ってもしばらくはご飯一緒に食べらんなくなるし…任務くらいかなぁ、まその時はよろしくね」

「たまに別の所で食べる分には怪しまれないわよ、また一緒にお茶したりしましょ」

「ん、ありがと」

「警護と監視、よろしく頼んだわね」

「あいあーい」





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