皆で海



「――…いっちゃん遅いねぇ…いつもなら早い方なのにね」

「………?」

「いやー無いっしょ、あんな隈有るけど#いっちゃん#寝んの大抵12時前とか言ってたぐらいだし。…事故に巻き込まれたーとかまさかねぇよなぁ」

「あァん?あいつからまだ連絡来ねェのか」

「そうなのよー流石にちょっと心配になってきたんだけど俺様」

「Lunchはイチの奢りで決まりだな」

「…皆1つずつだけね。全部奢りとか言ったらいっちゃん財布すっからかんでしょ」

「A-n?30分も待たせやがってんだ当然だろうが!」

「えーでもさ!なぁユキ」

「うむ。理由次第でござろう。もしやともすれば何か致し方の無い事情という事も、」




「――わーりぃねぇ、すげぇ待たせちまった」

「………」

「…、」

「………Hey,イチ。お前何でそっちから」

「ってか!俺様電話したしメールもしたんだけど?!」

「…。………あぁ、ほんとだ。わりぃわりぃ、気付かなかったぜぇ」

「…?」

「いーやぁよぉ、向こうの駅で老夫婦に道訊かれてなぁ。そんで目的の家ってぇのが俺ん家のすぐ傍みてぇで、案内してたんだよ。孫を驚かせたくて、息子夫婦には迎えに来ねぇようにってぇ言ってたんだと。嬉しそうに孫の事とか話すからよぉ、連絡すんの忘れちまってたぜぇ。悪かったなぁほんと」

「…あー、まぁ、そういう事ならしょうがないね。いっちゃんらしいわ」

「政宗、これでもイチに奢らせる?俺ぁそりゃどうかと思うけどなー」

「卑しい集り屋よ」

「Wait wait wait!俺だけ悪もんか?!」

「何だぁ、政宗君怒ってたのか。政宗君がそれで納得いくってぇんなら俺ァ喜んで奢らせてもらうぜぇ?」

「男ならンなちっせェ事言ってねェでなァ、」

「だーッ!!わーったわーったっつの!!No need!ッチてめぇら俺をいじりやがって…!I'll get even!」

「アハハーじゃ行こっか!」

「マジてめぇ憶えとけよ猿」




「「「海だあああああああああああああ!!!!!!」」」
「海でござるうううううううううう!!!!!!」

「あらー元気ねー…」

「だなぁ」

「まぁテンション上がんの分かんないでも無いけどさ」

「佐助君もウズウズしてるってぇ?」

「そう見える?」

「ヒヒヒ、割と」

「あは」

「さっさとパラソルを立てろ猿飛」

「…了解っと」




「…うっへ、」

「…ん?」

「いっちゃん…ちゃんと食べてる?」

「…おぉ、食ってるはずだが」

「だよね!!でもほっそいよ!!えー!!いや知ってたけど!!改めて細い!!ねそう思うよね小太郎?!」

「…!」

「あー、」

「ほんと何でそんな不健康そうなのよ…!大抵12時前には寝てその隈だし?!むしろよく食べる方だし?!だってのにそれか!マジわっかんねぇ…!」

「いやぁ、俺にも分かんねぇなぁ」

「っはー………そんで1人だけ彼女持ちとかもうほんと世の中狂ってるわ…」

「…。いや、俺だけってぇ事も無くなったろうよ」

「………。…、え?」

「小太郎君」

「え?」

「あァれ、言ってねぇの?」

「………、…、」

「…ちょっと待てお前それ俺聞いてねぇんだけど。は?おい詳しく」





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