黒子と白澤



『僕は天才肌ってやつだから、結構何でも出来ちゃうワケ。ほとんど努力無しにね。僕に努力は要らない、努力というものを知る必要が無い。でも言い換えればそれってさ、僕は努力っていうすげぇやつと関わらないで終わるつまんねぇ人間て事なんだよ。日向だっけ?あいつみたいにシュート打ち続けるとか、僕には縁が無い。その代わりにそうやって得たもんも僕には縁が無い。だからすげぇなって思う。まぁ別に羨ましいとは思わねぇけど。だから僕は努力する奴の事馬鹿にする気は毛頭無いよ。嫌味って言われたらそれまでだけど脱帽だわ。――…猛流も努力家でさ。バスケ楽しいから好きで、別に上手くなくてもいいってあいつ言うけど、勝てたら嬉しいってやっぱ練習してんだよね。僕には無いもん持ってるし僕の知らないもん知ってるし、だから僕はあいつの事好きなんだけど。そういう意味も含めると、僕には無いもん、僕には持てようが無いもん持ってて、僕の知らないもんも知ってるアンタの事も僕は結構好きだよ』




「――ボクは、貴方の事を誤解していたようです。…ボクの知り合いに、センスや体格にとても恵まれた、特にバスケに関しては天才と言えるのだろう人が居ます。…彼の事は、人としてはむしろ好きです。ですが、バスケに対する姿勢というものにおいては、どうしても好きにはなれない。…彼は才能を持つ余り、才能が無いのに努力をする人、熱中する人を、それを無駄だと、言うんです。…全てを彼のせいにするつもりは有りませんが、彼の存在が、貴方を誤解する事に繋がってしまったというのもまた事実です」

「…。ふーん。つまり僕も努力する奴馬鹿にしてるんじゃってそう思ってたワケ」

「…えぇ。そういう事になります。…すみません」

「まぁ別にそれはいいけど。どうでもいいっつーか大した事じゃねぇし」

「………ボクも、」

「…」

「ボクも、貴方の事、結構好きかもしれません」

「…。あっそ。それはどーもありがと」





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