通達



XANXUSの元へ送られてきた、ボンゴレ9代目の死炎印が押された1通の手紙。クソが、と心中では悪態、表情には忌々しさとひどい嫌悪を載せながらも彼はそれへ目を通す。…何だ、これは。死炎印の押印、本物に違いは無い。読み進めれば読み進める程、不機嫌で顰まっていた眉が怪訝に色を変えていく。内容はと言うなら、先のリング争奪戦においてのヴァリアーの動向に関して下された処罰の事である。しかし正直なところ、そう、拍子抜け――あれだけの大事、もっと重く枷を嵌め込まれたとしてもおかしくは無い。だのに、たった1項目。明らかにおかしな話だ。


『向こう3年間、組織の動向は本部より派遣される監視員により逐一の報告が為される』


軽い、以上に、甘すぎて気味が悪い。何かの策か、などと思考を巡らせてみるが、すぐに止めてしまった。ブラッド・オブ・ボンゴレでは無いという真実が如実に在る今であろうと、XANXUSの直感はそれの有する超直感にも引けを取らない程の鋭さで以ている。たった、これだけ。大きく舌打ちをしながら、憤怒の炎で掌中の手紙を焼き消した。




(あのクソジジィ、今度は何を企んでやがる)




嗚呼、忌々しい。派遣されてくる監視員を殺したら殺したで、その先には更なる面倒事も在ろう。いっそありがたいとでも思ってこの処罰に甘んじれば良いのだろうか。それもそれで、何とも腑に落ち切らないものである。――嗚呼、忌々しい。


執務机の上へ脚を載せ、背凭れに深く身を預け、椅子に沈む。疑惑の俄かに解けぬ心中のまま、眉間の皺を保ってXANXUSは目を閉じた。





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