原作前にトリップ。土方さんに拾われて孫なのか娘なのか可愛がられつつ屯所近くの食堂でバイトする日々の後、何やかんやで尾形に引っ攫われて何やかんやで原作に沿う。尾形が夢主にゾッコン。結局言うこと聞いちゃうし、甘やかしちゃうし優しくしちゃうし、人前とか気にせず構いまくる。2人っきりの時だと逆に甘える。夢主もそんな尾形がぐうかわでヤバい。ラブラブ。

「誰かも分からない人の手に掛けられるくらいなら、…喜んで百之助さんに殺されたいよねっていうハナシ」
「…ハハッ。…丁度俺も、そう思ってたとこだ。誰ぞと知らん奴にお前を殺されるくらいなら、俺がこの手で殺してやるさ、ってな」

最終的に夢主は尾形に殺される。でも夢主はすごく嬉しそうに幸せそうに笑って死んでいく。尾形も柔らかくうっそり笑ってそれを見届ける。…けど、夢主が事切れて後はますます以て伽藍堂に嗤うようになるし、事有る毎に寒いってぼっそり呟くようになる。若干壊れる。しゅき。



かーーーらーーーのーーー!!!!??キャラ達みぃんな現代に転生!!!!!!!!
夢主も死んだ後は現実に戻ってきて、以前と変わらぬ日常を過ごすことになってた。トリップしてから帰ってくるまでの現実の時間経過はほんの十数分くらいで、目を開けたら授業の途中で、単なる一眠りの間の出来事に過ぎていなかったことを知る。一筋流れる涙。

(――…元気でいてね、百之助さん)



んで何週間後かの金曜の朝に、たまたま何と無く早起きしてしまって、何と無くさっさと学校に向かっちゃおうって気になって、たまたま団体客で待機列長くなってたからいつもとは違うポイントで待とうと場所を移動したら。向かいのホーム、正面に何故か目が行った。そしてそこに、その人が居た。ひゃ、くのすけさん。思わず囁きが零れる。呼んでしまった名前の持ち主もまた、同じように目を見開いて此方を見ている。あの、猫が驚いた時の様子とそっくりな、忘れる事など無かったあの表情で。思わず笑いが零れる。あっは、変わってないなぁ。その彼はと言えば、すぐさま真顔に戻ったかと思ったら、遠目にも仕立ての良さそうなスリーピースのジャケットの裾を翻して階段に向かっていく。後ろに並んでいたサラリーマンがちらりとそれを見て、1歩前へと詰めていくのを眺めてから、彼女もやはり、何てことは無いように、自然と踵を返すのだった。

構内で人目を気にせず人波を憚らず迷惑を顧みず道のド真ん中で抱き合う2人。尾形なんかガタイがいいので、憎々しい視線こそ送るも誰も舌打ちしたり声を掛けたりは出来ないw多分夢主は脇に寄らないと〜!って思ってるけど尾形に荒々しく引き寄せられてそのままがっちり抱き締められちゃってて身動き取れないので諦めかけてる。ぎゅうぎゅう抱き着いて抱き締めて離れない尾形を宥めようと背を摩り隊。と思ってたらパッと離れた尾形がジャケットの内ポケから名刺入れとボールペン出して、裏に何事か書き付けた名刺を渡してくる。

「お前絶対これ失くすなよ。失くしたらまた殺す」
「いや時代。時代が違うでしょうが」
「昼に絶対電話しろ。してこなかったら抱き潰す」
「…えっどっちの意味?敢えて聞くけど」

にったり笑う尾形にげっそりする夢主。ぜつりんまぢかんべんして。ていうかどーーーせ今に抱き潰される事になるんでしょ知ってる!知ってるつらい!去っていく大きな背中を見送りつつ遠い目をする夢主。時を超えた再会なんてこんなもんでしたわ。



「………ナンかァ、尾形ちゃん何かいい事でも有ったの?めちゃくちゃ鬼モードでやってんじゃん。今日は残業絶対しません的な感じじゃん」
「遅刻してきたからじゃねーの」
「まぁ確かに尾形ちゃんにしちゃめっずらしいけどな遅刻なんて」

「ねぇねぇ尾形ちゃん、今日は何かいい事でも有ったの〜?」
「…」
「ねぇねぇねぇってばぁ」
「…。…有った」
「へぇ〜どんなぁ?」
「漣が居た」
「へぇ〜そっかぁ。………、…。え"ッ?!!」
「だから白石、邪魔ァするなよ?」
「ハイ。合点承知」

「杉元!!!!杉元ォ!!!!」
「なァによ白石、そんなでっかい声出して。今度は何?可愛い女の子でも居たの?美人なお姉さん?ムキムキの野郎?どれ?」
「強いて言えば可愛くて綺麗なコ!!!!漣ちゃんだよ!!漣!!!!」
「はぁ〜?れんン〜?」
「尾形ちゃんがァ!!!!漣ちゃんが居たって!!!!」
「――はああああああ?!!!!ンだよそれ聞いてねぇぞ?!!!!」
「当たり前でしょ〜さっき俺が聞いてきたんだから〜俺だってさっき初めて知ってそれを今お前に言ったんだから〜待て待て待て落ち着け杉元!!!今の時世人殺しはご法度よ?!!!尾形ちゃん殺ったって何もいい事無いから!!!漣ちゃんも悲しむから!!!落ち着けって杉元ォ!!!ちょっ誰かァ!!杉元止めて!!!!」

「………」
「………」
「………」
「………」
「………」
「…あのさぁ、ガン付け合ってたって何も始まらないぜ?以心伝心してんの?それなら始まってるワケ?俺だけ仲間外れ?」
「………あいつが、」
「うん?」
「お前らにも会いたいっつってる。…場をセッティングしてやらねぇと、あいつが臍曲げるんだよ」
「…勿論アシリパさんもだよなァ?」
「むしろアシリパだろう。ジジイも絶対呼べってうるせぇし」
「あら〜残念だったわね杉元ちゃん」
「白石お前は要らねぇ」
「ちょっと?!!!」
「あら〜残念だったわね白石ちゃん」
「意地でも付いてくからな…!」





×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -