「情の深さが甘えを吸うて」続き
※R18









俺は椅子にどっかりと腰掛けたまま何も動かない。たかだか賄賂のために動こうという気もしない。ただハレルヤが成すままにさせておくだけだった。ハレルヤもまた俺が手から成績リストを奪い取ったのを一番の契機だと判断した。特に恥ずかしがるようなそぶりを見せることも無く、俺の足元に屈み込んでおもむろにチャックに手をかける。こいつは人がこの部屋に入ってくる可能性の高さに関しては何も思わないのだろうか。ちなみに俺は気にしている。しかも気にしている上でこの状況を面白がっている。一年に一回だけ、ありえないくらいに好みの顔をひっつけた奴に息子を弄ってもらえるだけで何となく興奮する。絶対にそんなことは言わないけど。ハレルヤはベルトのバックルを外して片手で手際よく抜きとり、がばっと勢いよく前を開いた。下着に包まれた下半身が一部分だけさらけ出されて、空気の冷たさにぶるりと身震いした。ああ見られてんな、まじまじと。
「さかってんじゃねえよ」
「いやそれお前にだけは言われたくない」
「別にさかってるわけじゃねえし。成績上げてほしいだけ」
あっけらかんと言い、ハレルヤは下着に包まれた俺の性器を上から口ではむ、と優しく食んだ。唇で形どりながらゆっくりと刺激する。布が時々いいところに擦れて、それにつれ血が少しずつ下半身に集中しはじめるのを何となく感じた。俺の両足の太股を開いてその間に身を割り込ませ、あやすように柔らかく唇でなぞる様を見ていると腹の底から温度の低いもったりとした気持ちが浮上してきてたまらない気分になった。
「焦らすなぁ、はやくくわえろよ」
「ああ」
ハレルヤは頷くようなそぶりを見せてから顔をあげ下着を僅かに押し上げる俺の性器を取り出すと、気に入ったのかにやっと口を歪めた。ひとさまのもんを見て笑うなんて失礼も甚だしいが文句の一つでも言えば途中で食いちぎられるかもしれない。緩く腰を振ってやると、ハレルヤは口を大きく開けて一気にまるごと口に含んだ。暖かいぬるぬるした感触に俺の性器は歓喜して膨張したのがわかった。頭は動かさずに舌だけで愛撫する。口いっぱいに頬張っていて見た目は全然動いていないのに、中では太い一人前の男の舌がずるずると性器をぬめらせながら舐めあげている。熱い。明らかに去年よりも上手くなってやがる、数段技術に磨きがかかって驚くくらいにいい。どこかで他人のものでもくわえているのだろう。淫猥ではしたない生徒が教師である俺のを美味しそうにしゃぶっているこの状況が犯罪すぎてそそる。しばらく頭を動かさずに舐めていたが、いよいよ俺の性器が本領発揮しだしたらしく、口に収まり切れ無くなってきた。仕方ないといったように一旦口を離した。もう他人の力を借りずともしっかりと天をむく俺のペニスは完全に漲っていて、いつ女の膣に入れて犯してもいいくらいに膨れ上がっている。
「いいな、でけえ、これ」
自分の涎でてらてらと光るハレルヤの紅い唇の肉がぷくりと色気を誘っている。ああそこに俺の精液をぶっかけたら紅に白で映えてエロいだろうな。
「見んなって、興奮すんだろ」
俺がふざけて言うと、ハレルヤは変態が、と嬉しそうに言葉を紡いで、口で小さな空間を作ってから再びズブズブとペニスを飲み込んだ。先程とは打って変わった締め付けと速度にぞくりとした。少し痛い。犬歯みたいな八重歯が嫌なのはこれが理由だ。見映えはいいがくわえられたときに当たると痛い。そんなことも気にせず頭を振って追い詰めていくハレルヤ。ぐちゅ、にちゃ、といやらしい音がペニスから聞こえてきて、たくさんのハレルヤの唾液が俺のペニスの先走りと絡み合ってもうぐちゃぐちゃになっているんだと思うと、大人として恥ずかしながらもますますいい気持ちになる。
「いい、ぜ、ハレルヤ」
「ん、」
鼻から抜けた色っぽい音が返事した。目を閉じたハレルヤの睫毛は長い。長い上に角度が斜めなもんだから、目尻のキツさになおいっそう拍車をかけている。まさに俺の好みだ。屈服したがらないくせに欲には人一倍弱い生意気極まりないハレルヤ。気持ちいい、そろそろ出してぶっかけてやろうかな、なんて頭の片隅で無頓着に考えていると、ハレルヤが見越したように扱きを強めてきた。ぐっと息をつまらせて射精感に堪えられるようになんとかとどめる。こうやって散々我慢したあとの射精には半端じゃないくらいの快感が伴う。俺は自分からも腰を振り出して、ハレルヤの喉奥に肉棒をたたきつける。嘔吐感が否めなくなってきたらしいハレルヤは僅かに目に生理的な涙を浮かべながらも我慢してくわえつづけた。
「だすぜ」
「ん……っ!?」
唐突に速度を速め、ラストスパートをかけるようにして十秒ほど腰を激しく揺らしてから、ぐっと引いてペニスを抜き出し、ハレルヤの顔を片手でしっかりと固定してから思い切り顔射した。濃くて白い、いやらしい精液が亀頭から容赦無しにどびゅどびゅと勢いよく飛び出して、それをハレルヤの顔にこれでもかとぶっかけた。三日間くらい多忙でご無沙汰だった俺のペニスは開放感に酔いしれ、ひくひくと亀頭の穴を痙攣させながらまだぽたりと余韻を残していた。大量の精液は顔を滴り落ち、わずかながらハレルヤのブレザーにも落ちた。
「あー…よかったぜ、ハレルヤ」
「くっそ…」
さすがにここまで被害を被るとは思っていなかったらしく、愚痴りながら自分のブレザーのシャツをめくった。恨めしげに上目遣いで睨みつけてきた。あーかわいい。
「てめ…代償として代わりの買えよ」
「どこの?それ」
「ヴィヴィアン・ウエストウッド様」
「なに」
「一点もの」
「うあ」







エゴイスティックの塊
(人間にはそれ以外に何があるの)


※続きます




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