※R18










布団を敷いてもいいですか。長くて濃い口づけをたっぷりと味わった後、アレルヤが俺に組み敷かれたまま聞いてきた。俺は正直なんでもよかった。返事をするかわりに押し倒して掴んでいた両手を離すと、俺の動作を了解したとみなしたらしいアレルヤはのそりと起き上がってちゃぶ台を横に押しやり、布団を敷く隙間をつくった。押し入れからいつも寝そべっている白い布団一式を取り出して、顔をあからめながらも寝床を整えていく。二人とも何にも話すことなく、きぬ擦れする音だけがこの部屋に響いていた。俺は何一つ手伝うことなく、ただそれをやけに冴え続けている頭で見やっていた。大体セックスする時って勢いでやるもんじゃないのか。それなのに口づけを一旦やめてからまた改めてだなんて、気まずいにも程がある。アレルヤはそう思わないのだろうか、それとも慣れているからか。ふと視線を落とすと、俺の手が届く範囲内にきらりと何かが天井の明かりに反射しているのを見つけた。そこには先程俺が押し倒した時に投げ出した汚いグラス。のけ物にされて虚しく転がっていたが、それをちゃぶ台に置いてしまったら唯一の無鉄砲な仲間が居なくなってしまうような気がしてそのままにしておいた。なんだそれ、全くもって意味がわからない。
「……ニール」
アレルヤはいつの間にか敷き終わった布団にちょこんと正座して、俺の名をおずおずと呼んだ。
「ああ」
俺も布団の上に乗って、あぐらをかくようにして座る。目の前にいるアレルヤを見ると、恥ずかしさからきているのであろう頬の赤みと、わずかに隠しきれていない興奮した様子が見てとれて、これはもう引き下がれないな、と直感が物申した。
「………その」
「分かってるよ、セックスだろ」
気まずさをごまかすために頭を掻いた。
「っ!……本当に、いいの…?」
「いやいいけど……。でも俺、男とやったことがないから勝手が分からねえし、大体はアレルヤに任せるからな」
「う、うん…頑張る」
アレルヤが口をつむって頷いたから、俺は言葉通り主導権をアレルヤに渡してしまうことにした。いつもなら絶対に俺がリードするが、今回ばかりは勝手が分からなさ過ぎる。仕方がない。
「僕、基本的にずっと受け入れる方…なんだ。だけどニールはじっとしてていいし、何にも考えなくていいから」
アレルヤは穏やかにそういうと俺の近くに寄って、セーターを脱がした。されるがままに脱いでいく。シャツのボタンを外しにかかった。整った女爪のような指先が、器用にぷちりぷちりとそれを外していく。全てを外し終えると、俺からそのシャツを脱がして布団の隣に畳んで置いた。母親みたいな手つきだ。外気にさらされて体が震えた。アレルヤは俺の上半身の裸体を見て少し嬉しそうに目尻を下げる。お気に召したらしい。
「綺麗だね。まっしろい肌だ」
「焼けても赤くなってから戻るんだよ」
気を紛らわすために答えると、「羨ましいよ」と真面目に言われてしまった。アレルヤの冷たい指先が俺の体を滑っていく。その手つきがあまりにも慣れきっていて、俺はくらりと頭がまわった。アレルヤは手を下へ下へとずらしていき、とうとうズボンに手をかける。俺のそこはもう既に少しだけ反応していて、ズボンの生地を押し上げていた。アレルヤの綺麗な手がその上に置かれて、布越しにゆっくりと揉みこむ。わずかな快感に俺は息を漏らした。
「………開けるね」
アレルヤは律儀に言うと、ベルトのバックルを外し、ズボンをずりさげて下着を難無く脱がした。とうとう自身がアレルヤに見とめられ、俺は言いようもない恥ずかしさにとらわれた。風呂場で見られたりするのとはわけが違う。
「うわ、アレルヤ…っ」
「すご……おっきいね、ニールの…」
「ちょ、いうなって……!」
確かに他の奴のと比べたら俺のは結構太いし長さもある。アレルヤの言うことは間違いないのだが、言葉にされると妙に興奮してしまう。アレルヤはうっそりと笑みを浮かべる。そして俺の性器を片手で柔らかく包み込み、上下にゆっくりと動かしはじめた。気持ちいい感覚が下半身からせりあがってきて、思わず声をあげた。
「すごい…どんどん大きくなる…」
嬉しそうなアレルヤの声。
「うわ、あ、アレルヤっ……」
それに答えるようにアレルヤの手が次第に早さを増してきて、性器の先端から先走りが溢れてきた。その液の助けをかりて、くちゅくちゅとそそるような音をたてた。自分でも制御できないほどに快感が生まれる。半分ほど勃起した自身をなおも丁寧に、そして緩急をつけて激しくしごく。俺はもうそれだけで十分なのに、アレルヤは何を思ったのか、急に顔を近づけた。
「ど、した………?」
アレルヤを見ると、もう完全に性欲に酔った目つきで上目遣いされた。それが俺をいっそう煽りたてる。
「ニール、ダメ…我慢できないよ…。あなたのをくわえたい、」
へ、ちょっと待ておい!俺の焦った声も虚しく、アレルヤは目を細めて俺の性器を口でくわえ込んだ。瞬間に熱いぬるぬるとした狭い空間に包まれた。唾液と先走りで濡れた唇で上下にしごかれ、舌が余すところなくねっとりと先端を舐めあげる。あまりに気持ち良すぎて完全に勃起した。みるみるうちに性器がまた膨れ上がっていて、もうアレルヤの咥内に収まりきれていないが、それでも俺のペニスを一生懸命に愛撫し続ける。俺はアレルヤの頭を押さえた。
「や、やば…」
「んっ…ふ……ひもひ…いい…?」
「さい、こっ……!」
恥ずかしい気持ちなんて、いつの間にかどこかに消えていた。快感だけを求めて息を詰める。俺の切羽詰まった食いしばるような言葉に気をよくしたらしく、アレルヤは頭を素早く動かしてどんどん絶頂に追い詰めていった。口をきつくすぼめて絶えず幹と先端を刺激する。女の膣の中なんかよりよっぽど気持ちよくて激しい。それをあの可愛いアレルヤにされている。そう考えただけで射精欲がいっきに高まった。
「あ、だした、い、アレルヤっ……!」
「んっ……む」
射精に備え、頭を退かそうと手を伸ばした。しかしアレルヤは頭をふってそれを拒否するそぶりを見せた。その動きすらも快感に繋がって眉を寄せる。口に出せということか?やば、そそる、
「ぅ、あっ」
「は、…っん!」
俺は襲ってくる絶頂感についにがまんできず、美味しそうに俺の太いペニスを一心不乱に貪るアレルヤを見ながら、溜まり溜まった精液を咥内に勢いよく吐き出した。







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