text | ナノ


甘党男子って萌えます

学パロというか、色んな人が雷門中に引き抜かれた設定です。


アツヤが生存してます


CPは南涼、アツシロ、基緑、源佐久、風宮です






***
帰宅しようと校門の近くに涼野は居た今日は南雲と帰らないのだ。

「風介ー!」

手をぶんぶんと振りながら士郎が涼野に駆け寄った。
白い子犬が戯れついて来た様だ。微笑みながら涼野は答えた。


「どうしたんだ、士郎。やけに楽しそうじゃないか」


瞳を輝かせて士郎は満面の笑みを浮かべている。笑っていることの多い士郎でも、この笑い方はそう見ることはが無い笑い方だった。


「今日は甘味同盟の活動日だよ!?楽しみに決まってるじゃない!」


甘味同盟とは、甘い物好きな男子が発足した同盟である。メンバーは士郎、涼野、緑川、佐久間、宮坂で、新しい店や、商品が出たら連絡を取り合って食すのだ。


「そうだね。今日は新しい店に行くんだった」


「美味しい所だと良いなー。」

「ね、じゃあ行こうか。」


「三人はもう店に着いてるって!」


「なら急ごう。」


少し小走りになりながら二人は駆け出した。


その後ろを赤毛と桃毛の少年が着いて来ていることを二人の白髪の少年は気付くことが出来なかった。




店に着くと、三人は既にパフェを頬張っていた。ずるいずるいと涼野と士郎も慌てて注文する。


「遅いぞ、ふぶ…士郎、風介。」


「あー次郎君掟を破りそうだった!」


甘党同盟の掟1、


「活動中は下の名前、だよ!」


基本的に甘党同盟は皆には秘密の集会だ。男子のスイーツ好きへの理解は世間はまだまだ浅い。

その秘密感を出すのが下の名前で呼ぶことだ。メンバーとの強い結束に繋がる。


「悪い、普段は名字だから。」


少し気まずそうに佐久間が言う。


「まぁ、破らなかったからいいんだけどね…。」


届いたパフェを食べながら士郎は答える。

その姿を見ながら微笑みを浮かべる涼野は既に完食していた。


「いつ食べたんですか風介先輩…!」


驚きの声を上げるのは宮坂。一年生だ


「甘い物の早喰いに定評のある風介だもんね!」


こちらも一年生の緑川。後輩だが、お日さま園から交流のある二人は普段から下の名前に敬称無しで呼び合っている。


「もう一杯食べていいかい?」


「風介…食べ過ぎるなよ…」


「問題ないさ次郎。冷たいのには慣れている!」


わいわいと盛り上がる甘党同盟の死角のテーブルに南雲、アツヤ、基山、源田、風丸がいた。甘党同盟のメンバーの恋人たちである。


「最近コソコソ居なくなる理由、これか…」


「なんでデートで行くって選択肢が無いんだ…」


「リュウジ最近俺と一緒に居たがらないのに…」


「佐久間が生き生きしてる…」


「宮坂が下の名前で呼んでる…俺はまだ名字なのに…」


ズーンと暗くなる五人。最近デートしなくなった恋人の尾行をした結果、甘い物を他の男と食べていたのだ。暗くなるのも無理はない。



「さて、恋バナしようか!」


きらきらと士郎が話を振る。またか…と慣れた様に次郎が返す。


「女子会かッ!…最初は士郎な…」


諦めた風に呟くと士郎は語り始めた。


「付き合い始めた時期を教えてよー!僕らは中二から!」


「おや、案外短いね」


涼野は本日二個目のパフェに舌鼓を打ちながら合いの手を入れる。


「生まれた時から一緒だから恋愛感情かどうか気付けなくて…」


「ふーん?…俺らも同じくらいだな。中一の終わりくらいからだ」


帝国学園を思い出したのか、佐久間はフッと笑う


「え、嘘!次郎さんと源田さん熟年夫婦みたいなのに!」


身を乗り出して緑川は叫ぶが、宮坂に抑えられてしまう


「それはどういう意味だリュウジ…?まぁ、自覚はしてる。けど熟年夫婦って言ったら風介の方だろ?」


「え、自覚ない。でも確かに長い付き合いだよ。お日さま園からだから」


「えー!?風介たちってあの頃からなの?!だって小学校低学年くらいだったじゃん?!」


「好きだったから」


南雲が満面の笑みを近くで浮かべていることに涼野は気付かない。


「風介先輩って、さらっと惚気ますよね…」


「そうかい?」


「「「「そうそう」」」」


涼野は同じ反応をした皆に苦笑する


「全員で言わなくても…でもリュウジだって同じじゃないのか?お日さま園から付き合ってるでしょ」


「俺らはエイリア学園崩壊後だよー?まぁ今でもたまーにグラン様って言いそうになるけど…何か未だに、マスターランクがセカンドランクなんかをって思うんだ…」


死角のテーブルで基山が四人に抑えられていることに緑川は気付かない。


「リュウジ、俺の可愛いリュウジィイそんな事無いよ!大好きだよぉお」


「騒ぐなヒロト!バレる!」




「それは無い…ヒロトの変質的執着の矛先は間違いなくリュウジに向かってるよ」


「変質的って…!まぁなら、いいな」


微笑むリュウジのポニーテールが嬉しそうに揺れた。



「皆さん付き合ってるんですね!いいなあ」


にこやかに宮坂が爆弾を投下した。風丸がピシリと固まる。


「何言ってんだ了!?風丸と付き合ってるだろお前!?」


佐久間が身を乗り出すが、今度は全員に衝撃が奔っているので誰も抑えられない。

「え、僕告白してませんよ?」


「はぁ!?了、それは無いよ!『風丸先輩好きですっ!』って何時も言ってるし、風丸さんに『俺もだよ』って言われてるじゃん!?」


緑川も身を乗り出す


「え、そうだけどさ風丸先輩絶対僕のこと恋愛対象だと思ってないよ。後輩から慕われてるなくらいの認識だよ」


「「「「風丸(君・さん)哀れ」」」」


「え、何が?」



完全に恋人だと思っていた風丸は落ち込み過ぎて立ち直れなかった

この店のパフェが美味しい事、宮坂が予想外に天然な事が分かって甘党同盟の本日の活動は終了した。







後日、交際を申し込む風丸が居たとか居なかったとか



110405


以下広告
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -