「おめぇの髪はいつもクルっクルだよな。」



「うっせぇよ、おめぇに天パの苦しみが分かるかよコノヤロー。善良な市民に対しても悪口を言う何て流石血も涙もない【鬼の副長】さんですこと。すっげぇー傷ついたから、銀さんのガラスハートはもう粉々だからなっ!!!」




最近、攘夷テロが勃発していて仕事が忙しい土方となかなか会う機会がなく、江戸の町にある甘味屋でボーっとしながら空を見上げていた時に目の前に現れたのは恋い焦れていた俺の恋人だった――。



「あ〜…‥、悪かったな。まさかこんな所でお前に会うなんて思ってなかったから。久々に会えて柄にもなく焦っちまった…‥。」



少し俯き、手で頭の後ろを掻きながら可愛い事を言う土方におもいっきり抱きつきたい衝動に駆られたが公衆の面前と言うこともありグッと我慢する。

いつもだったらこんな事言わねぇくせに…‥嬉しいじゃねーかコノヤロー。




「多串君のばーか。」



「あぁ?お前の方が馬鹿だろ。てかお前はいつになったら恋人の名前覚えんだよ。」


まだ頬に赤みを残した多串君はドカッと俺の隣に座り、少し不機嫌になってしまった。

俺だってさぁ〜、呼びたいのはやまやま何だけどさ。
こぅ…‥何てーんだろ…
だってさ今さらね〜。
散々、多串君多串君って呼んでおいていきなり
土方とか、トシとか呼んだらおかしーじゃねぇかよっ!!!
ただでさえ俺らの周りにはそんな些細なことにやたら反応する奴がいんのに…‥

沖田君とか沖田君とか
沖田君とか!!!



まぁ、一番は俺がこっぱずかしいって言う理由なんだけどな。



「分かった……‥。お前がその気なら、俺もお前のこと【天パくん】って呼ぶ。」



「はっ!!?意味わかんねぇし、苛めだろそれ!!!!何か子供アニメのタイトルみたいじゃねーかっ!!!【怪物くん】みたいな感じじゃねーかっっ!!!!」



「うるせぇー!!!おめぇが俺じゃねぇ男の名前で俺を呼ぶのが悪りぃんだろうがっ!!!」



「……‥。」





本当に嫉妬深くて大変だね俺の恋人は。

これ以上機嫌悪くなるのも後々面倒だしぃ〜。

コイツ絶対俺が名前呼ばない限りは【天パくん】って言うナンセンスなあだ名で呼ぶだろうしぃ〜?


ただでさえコンプレックスなのに、恋人からそんな名前で呼ばれたら銀さんもう自殺もんだしぃ〜?




とっても尺だが....
仕方ねぇから呼んでやるよ。








「ったく仕方ねぇな〜。本当に嫉妬深くて困るわ、銀さん。まぁそう言うとこも好きなんだけどね。



トシ――。」











天パのおかげで
お前が俺に話かけるきっかけになるなら

天パのおかげで
お前の名前が呼べる口実になるなら




天パも以外に悪くねぇと思う俺は







本当に意味わかんねぇな。










(………////)(ちょっ!!!そんなに嬉しそうな顔して、キャラ壊れてるぞトシっ////)