無数の星が煌めく小さな丘の上。夜中と言うこともあり、ここにいるのは先輩と僕だけ。 先輩と二人っきりと言うことに優越感を抱きつつ、丘の上の中心部にどっしりとそびえ立つ木の根元に二人して寝転がっていた。 端から見れば新手の集団自殺現場だが、先輩と僕はいたって普通に天体観測に来ていた。 「ゆっくり星を眺めるなんて凄く久しぶりですね。風が気持ちいし、星も綺麗ですね先輩。」 星を見上げたまま先輩に問うと、先輩はう〜んと背伸びをして両手を空に掲げた。 「最近は立て続けに任務が続いたしねぇ〜。まっ、たまにはいいもんでしょ?」 そういってなおも宙に手を泳がしている先輩は子供っぽくて何とも言えず可愛らしい。 そんなことを思う自分は相当先輩にやられているんだろう。 「流れ星見えないかなぁ〜。ねぇ…‥テンゾーは流れ星見えたら何て願い事する?」 空から目線を反らし先輩にむけると、僕に問う先輩は優しい…‥でも少し悲しそうな何とも言えない表情をしていた。 「……‥先輩は何てお願いするんですか?」 逆に先輩に聞き返したら、先輩は宙に掲げた両手で僕の頬を手で挟み、先輩と僕はまるで向き合うような形になった。 月光を浴びた白銀の髪にコントラストが美しい紺色と紅の眼、その背景に写る無数の星。切なる神秘。 それはまるで一つの芸術作品のような光景だった。 「俺はねテンゾウ。ただお前とこんな風に星を見たりしながらずっと一緒に生きていきたい…‥たまに喧嘩したりするのもいいけどねぇ。やっぱり最後はテンゾウといた〜いよ。」 そうヘラッと笑いながら言う先輩に僕は何も言えなかった。 忍の世界何ていつ死んでもおかしくない世界。 ましてや先輩は里一番の上忍で危険な任務も数多くこなしている。 明日の任務で死ぬかもしれない。 ましてや今、先輩や僕の命を狙う連中に会って殺されるかもしれない。 そんな恐怖を日々背負って生きている僕たち忍に ずっと二人一緒に楽しく生きていくなんてことは夢物語だから。 僕はそっと先輩の口布を下ろし、二人、どっちからでもなくただ引き合うようにキスをした。 「愛してるテンゾウ。」 「僕もです。先輩、愛してます。」 ああ、ただ願わくは 最期の刹那の瞬間まで 貴方が傍にいることを僕は願う 流れ星に願いを (テンゾーの願い事は?)(先輩がネコ耳をつけてニャンニャンして欲しいですね) 後書き→ |