「テンゾー、お腹すいたー。」



茶の間から気怠そうな先輩の声が聞こえる。




「テンゾー、お茶〜。」




「テンゾー、次は魚料理よろしくねぇ。」




全く……‥
僕は家政婦ですか先輩?

これでも一応、先輩の恋人なんですよ僕。




「じゃあ彼氏さん。醤油とってよ。」




目の前にあるのに…‥。


任務の時も先輩の尻に敷かれっぱなし、家に帰ってからも敷かれっぱなし。


いや…‥先輩の可愛いお尻は大好きですが、そうではなくて…‥



たまには僕も先輩に言うことを素直に…‥素直に聞いてもらいたい。



ツンツンデレな先輩も好きですが、たまにはデレデレな先輩も見たいんですよ。男としましては…‥





「テンゾウ。何ニヤニヤしてるの気持ち悪い。」



「……‥いや、デレデレで素直な先輩を想像したら何か凄く可愛いだろなぁ〜って。」





ふ〜ん…っと言いながら先輩は僕の口元に指を当ててそれはそれは楽しそうな表情で僕に囁いた。









「テンゾーが俺より強くていい男になったら、思う存分、甘やかしてあげる〜よ。」









そう言って僕の口元についていたであろう、米粒を人差し指ですくいそのまま自分の口の中に入れる。
その先輩の一連の動きに僕は見入った。


艶めかしい。


その言葉が今の先輩にはぴったりだ。




「まっ。無理だろうけどね、テンゾーには。」




そう言って楽しそうに笑う先輩を見て
やっぱりエロかっこいい先輩も捨てがたいと呑気に思う自分は、やっぱりこの先も先輩の尻に敷かれっぱなしなんだろうなと悟った。











(でもやっぱり、デレデレな先輩が見たい!!!)(テンゾー。リモコンとって〜。)











後書き