いつでも会いたい。
ずっと傍にいたい。
甘えたい。
甘えられたい。
好きだと言って。
愛していると囁いて。
俺だけを見て。
俺だけを一生愛して。
なぁ……‥高杉…‥








「何だァ〜銀時ィ〜。ずっと俺のことガン見しやがって。誘ってんのか?」



「…‥馬鹿ですかコノヤロー。テレビに映ってる結野アナ見てたんだょ。てか高杉じゃま、結野アナ見えねぇじゃねぇか。」




素直に慣れない自分。
可愛げのない自分。
女々しい自分。


結野アナを見てたんじゃない。
お前を見てたんだ高杉。


俺はお前しか見えてねぇんだよ。




高杉から告白を受けて、付き合うことになったときはこんな束縛じみた感情を持ってしまうほど、高杉を好きになるなんて思わなかった


ただただ、性欲処理。


セフレから始まった関係。



「お前の厭らしいケツの穴ならさっき嫌と言うほど見たがな。」



嫌な笑みを浮かべながら人差し指で背中のラインから尻にむけてなぞる高杉。



全くコイツは…‥



何でこんな奴に本気になっちまったんだろ。



こんな…‥




「変態片目鬼畜エロどちび。」



「…‥‥銀時ィ〜。今なんつった?」


「あ、やべ。心の声出てた?」


「あぁ、ばっちりな馬鹿銀。」



大体、男ってもんは背の低い高いじゃねーんだよ。息子がでけぇかちぃせぇかなんだよ。

そんなこともわかんねぇ〜おめぇには、今から俺がじっくり、嫌と言うほど教えてやるよ。




と、これでもかッってぐらい額に青筋をいれた高杉が俺を押し倒した。





求められるのは身体だけ。
これじゃあセフレと何ら変わらねぇ〜じゃねぇかよ。



「…‥銀時ィ、何かあったのか?」



いつもなら全力で拒否するくせに今日は無抵抗な俺をおかしく思ったんだろう。
青筋を引っ込めた高杉が俺を見下ろす。




毎日会わなくたっていい。
愛されていると実感できるなら。

たまには甘えて欲しい。
俺だけには弱味も見せて。
そしたら俺はお前の特別な存在だと実感できるから。

毎日愛の言葉を囁いて何て言わない。
1ヶ月に一回でいい。。
それだけで俺は愛を実感できるから。


お願い。俺だけを愛して。




言いたい。だけど、
こんな我が儘を言う年じゃねぇし
第一、ただでさえ高杉は自分を束縛されるのを嫌うタイプだ。
こんなことを言ったら面倒くさがられるのが落ちだな。



「……‥別に、何でもねぇよ。」






不安で不安で仕方ねぇんだ。
こんな感情は初めてなんだよ。
俺にはどうすればいいのか全然わからねぇ…‥。




ただただ
お前に嫌われぬように必死に己を隠すぐらいしか出来ないんだ…‥。






「ハァ…‥ったく。何でもねぇって顔じゃねぇ〜だろ銀時ィ。何でそんな泣きそうなツラしてやがる。」




俺の頬に手をおき、困ったような顔をしている高杉。お前のそんな顔は久しぶりだな。小せぇ頃に俺の甘味を食べて、俺がおお泣きしたとき以来かな…‥?
そん時は高杉のその顔が面白くて許してやったのを覚えている。





「…‥銀時ィ。どうしたんだよ。言ってみろ。何で口があるのか知ってんだろォ馬鹿銀時ィ〜。」



俺の頬をつねったり伸ばしたりしながら言う高杉。



「…‥高杉。お前なんか母ちゃんみてーだぞ。今。」


「…‥お前はそれが言いたくてそんな泣きっツラしてたのか銀時ィ。……‥ったく、心配した俺が馬鹿だった。俺ァ帰るからな。しょーもねぇ嘘に付き合ってられるぐれぇ俺はお人好しじゃねぇんだよ。」



そう言いながら、部屋の隅に置いていた服を着始める高杉。




怒らしてしまった?
高杉が心配してくれたのに俺がはぐらかしたから。



「…ッ待てよ高杉ッッ!!!!」




違うんだ
違うんだ高杉…‥



わけわかんねぇくれぇ好きなんだ。
好きなんだよ。



「―――ッ好きだ……好きなんだよ……‥わけわかんねぇくれぇおめぇが…‥だから恐ぇんだッ…‥‥‥ずっと一緒にいてぇとかッ…‥俺だけを……ッ見てくれとかっ!!!!………言いてぇけど…‥でも…‥…‥ッ言ったら面倒くさがられるかもしんねぇしっ………嫌われたら…俺ッ……どうしようってッ…‥うッ…ぐっ…‥」


「わかったからもう泣き止め銀時。」



言い終わる前に俺は高杉に抱きしめられた。



俺ってこんな面倒くさい奴だったっけ?


こんな女々しい奴だったっけ?



…‥違うな。
お前だから…‥高杉だから


こんなみっともない俺になるんだ。



これが恋ってやつかは
わからねぇけど、これが恋なら、俺にとっては初恋なんだ。





高杉に抱きついて必死に涙をこらえている俺に
コイツはいとも簡単に俺が言って欲しかった言葉を口にした。






「銀時ィ。下らねぇこと考えてんじゃねぇよ。俺ァ好きじゃねー奴を抱いたりしねぇし、心配なんてしねぇんだよ。
お前だから俺ァ、着物を涙や鼻水でぐちゃぐちゃにされたとしても、俺に必死にしがみつくお前を愛らしく思うんだぜ銀時ィ。





お前を一生好きだ。
愛してる銀時ィ。」








ニヤニヤした顔でそう言い放った高杉は俺の両頬を手で挟み、愛のある甘い甘いキスをした。












(しかしこんなデレデレな銀時が見れるとは予想外だったな)
(何か俺、ノリですげー恥ずかしいこと言っちゃったんじゃね?)






後書き