「…アンタ達ってそうしてると姉妹みたいよね」

クリスマスのダンスパーティがあるから、と春歌ちゃんの髪をいじるあたしとじっと鏡を見つめる春歌ちゃんを見ていたチカちゃんがそう呟いた。

「ふふ、姉妹みたいだって。春歌ちゃんみたいな妹嬉しいなあ」
「わ、私も香穂さんの様なお姉ちゃん嬉しいです!」
「ありがとう。よし、できた」

ドレスと同じ雪みたいに真っ白なリボンをキュッと結んでそう言えば「ありがとうございます!」元気な春歌ちゃんの声が聞こえて「どういたしまして」と笑っていれば「春歌ー、時間、大丈夫なの?」なんてチカちゃんの声。それに反応して部屋の時計を見た春歌ちゃんは「わ、行かなきゃ!香穂さん、本当にありがとうございました!」そう言ってコートを羽織り、パタパタと走って部屋を出ていった。

「転ばないといいけど…」
「大丈夫でしょ、春歌だって気を付けるはずだし」
「それもそっか。そういえばチカちゃんは待ち合わせ大丈夫なの?」
「まだ大丈夫」
「そっか、ならこっちおいで」

ベッドに座って雑誌を読んでいたチカちゃんにそう呼び掛けると彼女はきょとん、とあたしを見た。

「せっかくのパーティーだもん、髪いじらせて?」

ニッコリ笑ってそう言えばチカちゃんは「別にいいわよ、あたしは」なんて言って再び雑誌に目線を落とすから、あたしはチカちゃんに近づいて雑誌を没収する。

「あっ!」
「チカちゃんも春歌ちゃんと一緒であたしには妹みたいな存在なんだよ?これくらいさせてよ。ね?」

もう一度ニッコリ笑って言えばチカちゃんは諦めたようにため息をひとつ吐いてから「しょうがないから姉のお願い聞いてやるわ」と言って鏡前にあるイスへと歩き出した。そんなチカちゃんの後ろ姿を見てあたしは「耳、赤いね」と呟いて笑ったのだった。


スーパーガーリィ


◎トモちゃんのキャラが上手くつかめない
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -