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――ふいに文字列が消え、四角の枠の中が暗くなる。

刹那、キカイは上部からほろほろと、砂のようになって崩れ出した。

同時に、崩れ出すキカイの前に、短髪の、リタより年若そうな少女が姿を現す。

「リタ、シュテルンの兵器は全停止しました。今これと同じように崩れ始めています」

「ありがとう、メル」

また突如人が増えたことに驚くセレストに、リタは柔らかく微笑んだ。

「――終わったよ、セレスト君、フィオレンティーナちゃん、シュテルンの兵器は止まって崩れてる、もう安心だよ」

話すリタの足元も、砂粒に変化を始めている。
それに気付いたティナがリタの手を握ると、リタはやんわりとそれをほどいた。
見れば、リタと同じように、メルと呼ばれた短髪の少女の足元も、ほろほろと崩れている。

「上に、資料室に戻ってください。ここまでの道も崩れます」

メルが二人を資料室への石床まで促す。
リタとメルの身体は、もう膝下まで消えかかっていた。

石床に両足を乗せる寸前、セレストは叫ぶようにリタとメルに問いかけた。

「リタ、そしてメル殿、貴女方は誰なのですか――?」

必死な質問に顔を見合せたリタとメルは、互いに答える。

「私は古の国家ユラヌスの国防軍所属、機械整備士メル・ノーツです。かつて世界各国の争いが再び勃発しかけた折、リタ・アンバーとともにセシアの手紙の碑文を無許可で漏洩し、反逆罪で処刑された人間で――それから長い間精神体…魂となってリタと一緒に世界の行方を眺めてきた、知的好奇心のカタマリです」





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