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2018/03/14 22:20

「ふっ…ん!!んんんーー!!!はひぃ……」

呼吸を乱しながらえっちらおっちらと重たい荷物を運ぶのはクラスの小動物的存在の女子だ。小柄で可愛らしい彼女が頑張るようすは実に微笑ましく、クラス中を和ませた。

あ、男子が手伝いを申し出た。珍しくエルマタドーラじゃない。こんなときすぐさま手伝いに行くのは奴だというのに、本人は真顔で小動物女子を眺めていた。なにこいつ、怖い。

「アンタいつも女子が困ってたらいの一番に手伝いに行くのにどうしたのさ」
「あぁ……」
「兄さん、顔怖いよ。どうしましたかー」
「……めちゃくちゃかわいい」
「は?」

やべえかわいくないか!?体に見合わない大きさの荷物抱えて!腕の筋肉が震えて辛いのに我慢して、息をあげながらちょこちょこ進んでくるとか!!!!かわいすぎるだろ、ずっと見ていたい。

何をいっているんだこいつは。

「あれだよな、ハムスターが食料備蓄のために頬袋に種をパツンパツンに詰め込むのと同じようなかわいさがあるよな!あと、自分より何十倍も重い獲物を引っ張って帰るアリとか」
「最低かよ!はよ手伝ってこい!!!」

辛そうな顔ってなんかえろいよなとか、こいつ何考えてんだって感じだし、何より彼女には聞こえないようにしてるくせに女子の私に言ってくるあたりが特にまじくそ最低だと思う。

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