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「#幼馴染」のBL小説を読む
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2017/08/19 22:14

校門前に停まった赤のフェラーリを小学生が取り囲む。やはり気になるのはどんな人が乗っているのか。

「きっと芸能プロダクションの社長よ!私をスカウトしにきたのよ〜!」
「あんたを?あり得ないわよ」
「それにしても、かっこいいよな……1度でいいから乗ってみたいぜ……」
「あーん、イケメン彼氏とこんな車でドライブデート……憧れるわ〜」

「嬉しいね、誉めていただいて光栄だよ」

飲み物を買いに離れていたらしい車の持ち主が戻ってきた。騒ぐ小学生たちに声をかけながらニコ、と微笑むのはスラッと背の高い美丈夫。女子たちの目にはハートが浮かぶ。

「「か、かっこいい〜」」
「お兄さんの車!?」
「そうさ。気になるならもっと見せてあげたいところだけど……悪いね。私の待ち人が来てしまったみたいだ」

残念だったね、と小学生たちにウィンクを投げてから、男はやって来た待ち人に声をかけた。視線の先は学校の敷地内。やって来るのはよく知った人だった。

「律子ちゃん、迎えに来たよ」
「やだ、もう、目立つから離れたところで待っててって言ったのに」

ほほを染めながら小走りで駆け寄ってきたのは律子先生。男は自然な流れで律子先生の手を取り、エスコートする。助手席のドアを開けて彼女を座らせ、自分も運転席に乗り込む。窓を開けて、去り際に声をかけていった。

「それじゃあ君たち、またね」
「みんな、気を付けて帰るのよ」
「は、は〜い……」

美女の律子先生を謎の美男が迎えにきた、しかも高級車で。あまりの衝撃に悲鳴すら上がらなかったが、あれは明らかに恋人同士だ。車が見えなくなってようやく我に返った生徒たちは、大慌てで校舎に引き返し、律子先生に思いを寄せる我らが担任に報告したのだった。

「ぬーべーったら大変よ!!!」
「にゃにー!?赤いフェラーリに乗った男が嫌がる律子先生を無理矢理乗せて連れていって……!?おのれ、許せん!!!」
「美樹!アンタ話盛るんじゃないわよ!」





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