2010/09/06 04:52
「ナミは病み上がりなんだからな。目が覚めても、すぐに無茶なことさせたらダメだぞ!」
「ああ、わかってるよ。」

そう言ったルフィは、ちょっと元気がない。



今、医療室には俺とルフィと眠ってるナミの3人。

俺が「ナミの様子を見に行く」って言ったら、ルフィもついてきたんだ。
ナミはきっとまだ寝てるから、来ても話したりは出来ないぞって言ったんだけど。
「うん。だから、俺も。様子見に行く。」って。



ナミのことを心配してるのはわかるんだけど、いつもみたいに大騒ぎしないんだ。
やっぱり、シキと戦ってルフィも相当ダメージを受けてたし、疲れてるのかな?

俺、ちょっと心配だ。



「なぁ、チョッパー。」
「ななな何だ?」

ナミの看病をしにきたはずなのに、気が付いたらルフィのことばっかり見てた俺は、いきなり名前を呼ばれてビックリした。


「ナミのこと守ってくれて、ありがとな。」
「…ルフィ。…でも、俺…ナミ連れて逃げ回ってただけで…。」

守ったのは、ルフィだよ。

「何言ってんだ!お前は体張って大切な仲間を守りきったんだ。すげぇよ!」
「そ、そうかな?」


ナミを連れて、ただ夢中で走って走って。
俺はスゲー驚いたんだ。

いつも抱っこしてもらってたから、わからなかったけど。

ヒト型になって、ナミを抱っこした時、

思ってたよりも、ナミがずっとずっとちっちゃくて、折れそうなほど細くて。
スゲー驚いたんだ。


ナミは、女の子なんだ。


女の子なのに、いつも危ないことばっかするんだ。


シキのところにひとりぼっちで戦いに行くなんて。
怖かっただろうな。
寂しかっただろうな。


「ナミ、泣いたんだ。」
「え?」
「助けに来た俺たちのこと見て『ありがとう』って、泣いたんだ。」
「…。」
「助けに行くのなんて、仲間なんだから…当たり前なのにな。」
「コイツは、泣き虫だからな。」
「泣き虫?ナミが?」
「ああ。何かあると、すーぐ泣くんだ。」

話しながら、ルフィは優しくナミの前髪を撫でる。


ナミが泣いてるのを何回か見たことはあるけど、泣き虫だなんてそんなこと思ったことなかった。

いつも俺の前では笑ってくれてたから。




ルフィは、たくさんナミの涙を見てきたのかな?

俺が仲間になる前は、どんな冒険をしてきたんだろう?


今度、ルフィとナミの話を聞いてみようかな。
そしたら、ナミはやっぱり笑って話してくれるのかな。



ルフィが、まるで大事な大事な宝物を触るみたいに、ナミのことを撫でるから、

それを見てたら俺は喉の奥がギュウって痛くなって、悲しいわけじゃないのに涙が出そうになったんだ。



何でかはよくわからないけど。

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