「ナミは病み上がりなんだからな。目が覚めても、すぐに無茶なことさせたらダメだぞ!」 「ああ、わかってるよ。」 そう言ったルフィは、ちょっと元気がない。 今、医療室には俺とルフィと眠ってるナミの3人。 俺が「ナミの様子を見に行く」って言ったら、ルフィもついてきたんだ。 ナミはきっとまだ寝てるから、来ても話したりは出来ないぞって言ったんだけど。 「うん。だから、俺も。様子見に行く。」って。 ナミのことを心配してるのはわかるんだけど、いつもみたいに大騒ぎしないんだ。 やっぱり、シキと戦ってルフィも相当ダメージを受けてたし、疲れてるのかな? 俺、ちょっと心配だ。 「なぁ、チョッパー。」 「ななな何だ?」 ナミの看病をしにきたはずなのに、気が付いたらルフィのことばっかり見てた俺は、いきなり名前を呼ばれてビックリした。 「ナミのこと守ってくれて、ありがとな。」 「…ルフィ。…でも、俺…ナミ連れて逃げ回ってただけで…。」 守ったのは、ルフィだよ。 「何言ってんだ!お前は体張って大切な仲間を守りきったんだ。すげぇよ!」 「そ、そうかな?」 ナミを連れて、ただ夢中で走って走って。 俺はスゲー驚いたんだ。 いつも抱っこしてもらってたから、わからなかったけど。 ヒト型になって、ナミを抱っこした時、 思ってたよりも、ナミがずっとずっとちっちゃくて、折れそうなほど細くて。 スゲー驚いたんだ。 ナミは、女の子なんだ。 女の子なのに、いつも危ないことばっかするんだ。 シキのところにひとりぼっちで戦いに行くなんて。 怖かっただろうな。 寂しかっただろうな。 「ナミ、泣いたんだ。」 「え?」 「助けに来た俺たちのこと見て『ありがとう』って、泣いたんだ。」 「…。」 「助けに行くのなんて、仲間なんだから…当たり前なのにな。」 「コイツは、泣き虫だからな。」 「泣き虫?ナミが?」 「ああ。何かあると、すーぐ泣くんだ。」 話しながら、ルフィは優しくナミの前髪を撫でる。 ナミが泣いてるのを何回か見たことはあるけど、泣き虫だなんてそんなこと思ったことなかった。 いつも俺の前では笑ってくれてたから。 ルフィは、たくさんナミの涙を見てきたのかな? 俺が仲間になる前は、どんな冒険をしてきたんだろう? 今度、ルフィとナミの話を聞いてみようかな。 そしたら、ナミはやっぱり笑って話してくれるのかな。 ルフィが、まるで大事な大事な宝物を触るみたいに、ナミのことを撫でるから、 それを見てたら俺は喉の奥がギュウって痛くなって、悲しいわけじゃないのに涙が出そうになったんだ。 何でかはよくわからないけど。 |