にゃんにゃん、にゃん、にゃんにゃん

 どうも、こんにちは。
 はじめましてですね。僕は理と言います。
 よろしくお願いしますね。

 突然ですが、僕にはこ、恋人がいます。
 武本優と言います……
 優はきれいな茶髪が似合ってる優しい顔のイケメンでめっちゃかっこよくて、優しくて勉強も出来て、スポーツも得意で、クラスでも人気者です。
 僕は、優のことはいつもユウって呼んでて、ユウは僕のことをリイって呼んでます。
 こ、恋人…だから…


 そんなユウのところに今日は学校から帰ってからお泊まりに行きます。
 ドキドキですっ。

 ところで、さっき出るときにお姉ちゃんから紙袋をもらったんですが、中身はなんなんでしょう?
 中身を見ずにユウに渡せって言われたんです。
 でも、そんなこと言われたら逆にみたくなっちゃいますよね?
 後が怖いから見ませんけど…

―――――――――


 僕の家から学校方面に10分ほど歩いた、閑静な住宅街にユウの家はあります。
 ユウの家は割りとお金持ちらしく、なんかの大型連休にはよく海外に行ってます。
 今はユウの部活の試合や練習があるからご両親だけで行ってるらしいです。
 そんなことを考えていたら、いつの間にかユウの家の前です。
 緊張からなかなか足が進まなかったはずなのに……
 意を決して武本と書かれた表札の下についているインターホンを押す。
 僕の気持ちと全く噛み合わない緩い音でピンポーンと鳴った。

「はい」
「あ、あの。優くんの友人の」
「リイ!?母さーんリイ来たよ〜」
「ゆ、ユウ…」
「まぁ、リイくん来たの?お母さんどうしよう」
「頼むから普通にしててくれ……」

 インターホンの向こうから聞こえる慌てた足音。
 ユウのお母様は愉快な人のようです。
 少しホッとしました。
 扉が開けられてユウが飛び出してきました。
 その後ろをお母様がゆっくり歩いてきて、僕を家に招き入れてくれました。
 そして、ユウが僕の鞄を持って2階の方に行ってしまいました。
 お茶を持っていくといったお母様の声に返事をしながらユウの後ろに続く。
 たどり着いた先は、ユウのお部屋です。
 男子高校生のお部屋って……

「こんなに綺麗でしたっけ……」
「そうか?」
「少なからず僕の部屋より綺麗です」

 僕の部屋は物で溢れてるから……
 特にクマ。ウサギの類いで。

「へー。リイの部屋いってみてぇな…」
「き、綺麗にしときます……そういえば、姉がユウに渡したいものがあるらしく…」
「なんだよ…」

 今まで持っていた紙袋をユウに渡す。
 ユウは袋を開けた瞬間少し怖い顔になりましたが、すぐに変態スマイルになりました。
 変態スマイルとは、片方の口角を上げて笑うことを指してユウの友達がつけたもので、最近はそれを隠すように鼻から下を手で覆うんですが、バレバレです。
 嫌な予感がプンプンします。


 ユウのお母様とお父様と一緒に夕御飯を食べて、リビングで一息ついていると、突然ユウが言いました。

「そうだ。リイ、風呂入ってこいよ」
「えっなんで?」
「リイはお客さんだから、一番」

 そう言ってユウは僕の背中を押す。

「えっでも……」
「良いわよ。入っちゃって」

 ユウのお母様が後押ししてきました。

「……じゃあ、いただきます」

 ユウん家のお風呂はとっても広かったです。
 僕の小さい体が浮かぶくらい長い浴槽。
 大人が4人で入っても不自由がないと思います。
 しかもとてもきれいでした。
 それにシ…シャンプーがユウの匂いでした。
 なんか、変態が移ったみたいです。
 ユウがいきなり入ってこようとしたこと以外は、満ち足りた気分で脱衣場に戻ったんですが。


 パジャマがおかしい……
 服がそれしかなかったので、渋々、渋々、渋々僕はそのパジャマを着て、お母様にお礼を言って、ユウの部屋に駆け込みました。

「ユウ!!何これ」
「ブホッカワエ…予想以上のストライク」

 僕のパジャマは猫耳フードがついた着ぐるみになってました。
 ちゃんとしっぽもついてます。
 種類はわかりませんが白地に茶色のまだらが入ってます。

「僕のパジャマ…」
「いいじゃん。可愛いよ」
「か、可愛い……」
「うん」

 扉の前で仁王立ちしていた僕にユウが近づいてきます。
 両手を緩く前に出し近寄ってくる姿は人には見せられません。

「ほんとに?」
「ほんと」
「じゃあいいや」

 ゆっくりうなずいて肯定を表したユウに観念したら目の前でユウが渾身のガッツポーズをしました。
 そのままベッドの上にひきづりこまれて騒いでましたが、ピタリと止まって僕に向き合うと、ユウは真剣な表情で言った。

「リイ、にゃーって言ってみて」
「……な、なんで?」

 何を言い出すんだと思いました。
 でも、ユウの真剣そうな表情は変わりません。

「可愛いから」
「それって理由になる?」
「なるなる!!早く言って。にゃーって」
「えっと……に……にゃ〜?」

 がっしり両肩をつかんできたユウの真剣さに押されて、僕は蚊の泣くような声を絞り出した。
 それが聞こえたのか、グブホッと口で言って、ユウがベッドにつっぶして、つぶやいた。

「ありがとうございます。リイのお姉様」
「あっ!!やっぱりお姉ちゃんの仕業か!!」

 その後、ネコの着ぐるみを着せられたまま………き、着せられたままねこぷれいと言うものをさせられました。



END
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ねこぷれいが書きたい。

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