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あいつが帰ってこねぇ………
家出したのか?いや、そんなわけねぇ。
だがいないことも、帰ってこないことも事実だ。
やっぱり、出てったのか………?
大家から連絡はない。
解約とかはしていないみたいだから、まだこの家はあいつのものらしい。
もう一週間近くなる。
掃除なんか今までしてなかったんだ、だから一週間前には考えられないくらい散らかっている。
洗濯だってそうだ。
そこら中に散らばっている。
あのあとから加奈子とは会ってない。
度々電話が掛かってきているみたいだが、出る気もしねぇ。
それからまた新しい女が来た。
名前は………忘れた。
そんなレベルの女
そいつともヤったがヨくもなんともなかった。
………ってかウザイ
もう自分は俺の彼女なんだ、みたいなツラしやがる。
飯は確かに加奈子より旨かったが、あいつの足元にも及んでなかった。
しかも兎に角縛りやがる。
今日はどこにいってたの?とか
女と一緒にいたんでしょ、とか……
一回ヤったくらいで彼女ヅラすんじゃねぇよ?
テメェは俺のセフレであって、別に彼女でも何でもねえのに……
こんなんだったらあいつの方が……
って、何考えてんだよ。俺……
あいつ、どこいきやがった。クソ……
胸糞わりぃ……
なんだよこれ。
あいつケータイ持ってってねぇし、金……財布は見当たらねぇから持ってんな。
服は…あいつの服なんて知らねぇけど……確か大きな荷物は持ってなかったような……
あぁ……そうだな…うろ覚えだけど。
でも、俺が見てない間に荷物は持っていける……
あいつ、もう帰ってこないつもりか……?
ベットの上でとりとめもなく考えていたら、さっき言った女が、部屋に入ってきた。
昨日あたりからこの部屋に入りびたっている。
俺の側によって、隣にごろんと横になる。
誘ってんのかどうなのかわかんねぇけど、胸元のぱっくり開いた服からのぞくでかいそれは不自然に寄せられている。
普段ならのってやるところだが、どうにも乗らない。
女はそんなことは知らずに、無遠慮に話しかけてくる。
「ねぇねぇ、ハヤテェ私のことちゃんと好き〜?他の人とかとヤってない?」
「………」
「ちよっとー聞いてる?ねぇハヤテェ」
「うっせぇ」
「え……何よもう。どうかしたの?」
「うっせぇって言ってんだよ!!黙ってろ……うぜぇな」
「…………」
気分じゃねぇのに声かけんなよ…
こいつももういらねぇ……
「おい」
「……何よ」
「ヤるから脱げ。今すぐに」
「もう…なんなのよ。分かったから」
嬉しいくせに、仕方がねぇとか言ってんじゃねぇ。
俺は目の前にさらけ出されたでかい乳を鷲掴む。
俺の上にまたがった女は吐息のような声を出したが、俺はそんなこと構わず他のことが頭を回っていた。
あいつ、見つけたらただじゃおかねぇ……
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